狂武蔵

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監督:下村勇二
出演:TAK∴(坂口拓)、山崎賢人、斎藤洋介、樋浦勉、山中アラタ
時間:91分
公開:2020年
キャッチコピー:
1(宮本武蔵)vs400(吉岡一門)
77分ワンシーン・ワンカットの衝撃
ジャンル:
アクション時代劇

コメント一覧

石田憲司 | 簡易評価: まあまあ | 見た日: 2021年10月02日 | 見た回数: 2回

2回目見ると、意外と結構イケる口だった。回数重ねるうちにもうちょっと良くなる可能性を秘めてるかもしれないぞ。まぁ、見てる時のテンションと体調とかにもよると思うし、そもそもこの映画を好んで複数回見る人はレアだと思うので初回の評価が全てだとは思うんだけど、個人的にはもうちょっと評価上げても良くなっちゃった。

ラスト3分クオリティで続編(巌流島編)作ってくれたら多分「おすすめ」にするんだけど、どうでしょうか?

石田憲司 | 簡易評価: いまいち | 見た日: 2021年10月01日 | 見た回数: 1回

最後3分の別撮りの殺陣だけは「おすすめ」。

もともとお蔵入りしてた10年前くらいの作品をクラウドファンディングで復活させ、かつ追加シーンを加えて公開したというちょっと特殊な作品。
吉岡一門との戦いなんですが、400人も相手しなきゃいけない中、ただただ75分間延々殺陣を見せてくれる。それもワンカット長回しの極地。「1917 命をかけた伝令」とやろうとしてることは一緒なのかもしれないんですが、こちらはとにかく殺陣殺陣殺陣で、ドラマ性は冒頭3分とラスト3分の取り直したとこだけ。

坂口拓が武蔵をやっててそりゃリアルに強い人が強い人をやってるんで見るべきとこもあるし、実際にそんな長時間刀振り回すことががどれだけしんどいことかもわかるんですよ。
1分間の掛り稽古ですらヘトヘトでその後ゼーゼー言っちゃうくらいの僕では想像もつかない。腕も足も重たいしパンパンだし、ちょっとフラフラで立てない時もあったけど無駄な動きを廃してよー最後まで頑張ったなぁ。という感想はあります。が、いかんせんそんな状態なのでどうしても無駄な体力を削った戦いにてっせざるを得なくてワンパターンに見えちゃう。で、それが一時間強。うーん。苦痛!

というわけで正直一部の変態の方々(僕含む)以外は見続けてるのが大変で、映画としては「残念」な作品んですが、最後の3分間。ラストの殺陣のシーン。ここだけは長回しの延長ではなく、7年後の設定で、実際に数年後(最近)にとったらしく、体型がかなり違うけど、動きの質というか切れが抜群でこれだけ何回も見直していいくらいでした。これが「キングダム」の時の彼以上にキレキレで素晴らしい。
これベースで上手い脚本があれば基本路線こんな長回し作品でも「おすすめ」(←僕判定)になれたかもしれないんだけどなー。

以下ネタバレ込みの愚痴

ここから先はお話の核心に関わる記述があります。このリンクで読み飛ばせます。あるいは次の見出しにスキップしてください。

まず、前述の通りやってることが全く同じ。さばいて、切って、切ってさばいて。敵も味方も大人数相手のシーンは基本的にすべて同じ。無駄な体力使ってたらそら持たないし、瞬間勝負を続けなしゃーないというのはわかるんですけど、背景こそ変われど延々それを見せられたらそりゃやっぱりなんだかなー。というところは出ちゃう。

それに輪をかけるのが吉岡門下生たち。曲がりなりにも道場で稽古してきている人たちが襲いかかるはずなんですけど、刀を振り上げてわーーーっと子供のように走ってなんてまずしないと思うんです。自分だって来られるかもしれないから恐いじゃないですか。ましてはお腹がら空きでスパンスパン切られちゃう。あるいはちょっとまともに戦おうとすると、一瞬切りかかっては弾かれて、なんか切られたんだか打たれたんだかわからない感じで倒れ・・・そうにみえて画面から逃げるように走っていっちゃう。
多分人数的な問題もあったと思うんですけど一回来られて倒れてもササッと画面外に出て復活してくるという繰り返しに気づいてしまう。また、切られて倒れても立ち上がって敵の輪に加わるとこなんかも見えて、うーん。長回しって恐ろしい。それに一種のゾンビやな。とか思っちゃう。

最後の方なんてどっちもバテバテでよくわからなくって、豪快に切られたのにそれに気づかずに向かっていこうとして、「お前切られてるぞ。いったんはけろ」とばかりに他の人に引っ張り出されちゃったり、足を切りに行ってミスって地面にぶつかったにもかかわらず相手が命を落としたり、脳天かち割られたけど前に進んでいったり。
あげく、「時間でーす」とばかりに要所要所で全員足元に転がってると言う。あれ?いつの間にやら背後に回っていた敵はいなくなってるぞ?とか・・・

あと、一応刀を振り回してるのですが、CGで後付の血が吹き出すところはあるんですが、CGのちゃちさもあって服も破れなければ刀に血がべっとりして切れないなんてこともない。打たれて血が出ることもあるでしょうが切った感はあんまりなかったなぁ。
「暴れん坊将軍」の殺陣とかでみねうちでばっすばっすと倒していくのがあるんですけど、それに近い?返り血も一切つかず、長時間殺陣をやって汚れた程度。

ただ、後半まで見続けてると逆にちょっと見てて面白くなってくる。こいつは死んだの3回目やな。うち2回は同じシーンで同じ場所で立て続けに倒されたなぁ。お、こいつは髪の毛が特徴的で分かりやすくていいね。こいつは構えが独特すぎて使い回しがすぐわかるね。こいつは頭(髪の毛)がこんもりしてて、頭叩かれても大丈夫なようになってるね。やっぱり頭割られた!!とか、お、冒頭と違ってアクション自体がだんだん力抜けてきてるね。とかetc・・・、単純にチャンバラ以外の部分に楽しみを求め始める。

ところどころ吉岡十剣の一人○○だとか、なぜか宍戸梅軒だとかが出てきて、ニュアンスが変わるタイミングがあるんだけど、もうちょっと上手い演出で使ってあげたらメリハリの聞いた十分楽しめる作品になったんじゃないかなぁ。とか思っちゃう。使いまわしでもいいんですけど、部分部分で細かく休憩タイムだとかタイマン勝負だとかをはさみつつ、最後のあれ(7年後らしい)に繋げれたらね。

まーそうは言っても、痛そー。当たってるよね。とかそのへんのリアルさはある。ただ、音がほぼほぼ打撲音で切った音じゃないんで、それも時代劇イメージで見てるこっちからすると肩透かし。まぁ、いつだったか中世の剣は切るものではなく殴るもの。みたいな話を聞いて、えー、あのエクスカリバーとかもバシバシ殴るものなのか。としょんぼりした記憶もあるんで、それに近い感覚で、当時の剣術も殴る中心やったかもしれませんしね(多分ちゃう)

隠しテキストはここまでです。

リンク

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