Mars ただ、君を愛してる

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監督:耶雲哉治
出演:藤ヶ谷太輔、窪田正孝、 飯豊まりえ
時間:98分
公開:2016年
キャッチコピー:
甘い恋愛なんて、くだらない――
ジャンル:
恋愛サイコ青春ドラマ胸キュン

コメント一覧

石田憲司 | 簡易評価: ざんねん | 見た日: 2017年04月13日 | 見た回数: 1回

多分マンガ原作なんです。が・・・おぉ、ひどい。

少女マンガ原作の映画も結構見て、最近はそれなりに見てられるものばっかりになってきたんで、「ケータイ小説」映画の頃の狂乱を知っている僕のようなザンネン映画愛好家からすると一抹の寂しさがこみ上げてきたりもする昨今すが、いやね。まさかこんな形で巡り会えるとは。いいですよ。この作品。

とにかく古き良き(悪しき)ケータイ小説の大胆で無茶な展開がもりもりと展開され、最後の方のシーンで主役のヒロインの笑顔が流れた時に、つい、声を上げて笑ってしまった挙句、ヒャ、恥ずい。とテレたものです。
いや、たまたま外で一人、周りにもひと気はない状態だったので良かったのですが(よかないですが)電車の中だったとしたら・・・。

ということで、久々の自信を持ってお届けできるザンネン映画。どうですか?

ネタバレ全開モードをご覧の方はこちら

ここから先はお話の核心に関わる記述があります。このリンクで読み飛ばせます。あるいは次の見出しにスキップしてください。

冒頭から、彼がいたあの時・・・的なものローグで始まる今作。こいつ死ぬのだな。という前フリとともに始まる。

主人公はなんとかキラちゃん。いきなりのキラキラネームにビビるが、その本質は「デスノート」のキラにあるとは思いもよらないのであった。
割と早いうちからイジメにあってる状況が描かれ、これがあとを引くのかと思いきや・・・あっという間にその辛味の話は消えてしまう。ただただつらい過去演出その1なだけでした。

さて、王子様役のカレ。最近めっきりだれが誰やらという若手ジャニーズグループの一人だそうな。役名は樫野レイ。基本主人公キラちゃんからは「樫野くん」とよばれるので、違和感がないが、ちょくちょく『レイ』と下の名前を呼び捨てにするシーンも出てくる。北斗の拳を思い出させるかと言われると、そんなヤツはいないと応えること間違いなしだがね。

で、もうひとり気になるのが窪田正孝くん演じるマキオという3人でお送りしてくれます。

ちなみに、何で前述でデスノートがでてきたか、なのですが、何を隠そう。この窪田くん。新しいデスノートでライトくん(つまりキラ役)をやってるんですね。

で、主人公の「キラ」は当然それだし、「レイ」もいましたね。そんなやつ。前半に殺されるFBI捜査官 。偶然でしょうかね?

すでに付き合ってる二人。一方美術部で静かなイケメン=マキオくんはてっきり同じ美術部のキラちゃんのことが好きなのだろう。というミスリードを展開。
女子たちにきらちゃんのことが好きなんじゃネーノ?とかのフリに対して否定するんですが、それもミスリードの一環か。

それなりに仲良しだけどそれぞれになかなかの闇を抱えてて、ダークサイドな、それこそケータイ小説の香りを漂わせます。

キラちゃん
・義父に襲われ、以降男性不信
・心療内科にも通う。
・男性に強くこられると恐怖から叫びおののく
・過去いじめられてた
・いじめの中助けてくれたレイくんのおかげでなんとか持ち直しつつある
・でも本質は変わらんからよく叫んでわけわかんなくなっちゃう
・ココロの中で人を殺したりなんかしちゃったり・・・

レイくん
・イケメン(か?)
・女遊びしまくり
・暴力的でキレると怖い
・キラちゃんと付き合うようになってちょっと丸くなった
・真逆の性格の弟を死に追いやった(と思ってる)

マキオくん(多分カレが一番ダーク?なサイコ野郎)
・実はレイくんが好き
・強いやつか弱いやつしかいない
・弱いやつはゴミ以下
・レイは強くて美しい
・レイがキラと付き合いだして丸くなったのが気に入らない。
・もっとあの暴力的で美しい姿を取り戻さなきゃダメじゃないか。
・え~い、邪魔者は消せ。
・小学校の頃からちょっとやばくて、石で相手を殴り殺しそうになったりする。
・策略家でこわい。
・レイに殴られるとちょっと昔に戻ってくれてみたいで嬉しい。
・レイの周りのやつを言葉一つで死に追いやったりする能力者
・レイの弟も実は自殺にもってったのはカレの功績

あ、いかん、人物紹介だけでつい本筋を書いてしまってるじゃないか。

という3人と、お気楽なそれぞれの友達たち(こいつらはわりとお気楽で平和)で織りなす青春物語。

レイとキラがいい感じになりそうな時に体を触れられた段階で恐怖で叫びまくったりするような所あたりから、おぉ、ダークな香りが漂ってるぞ。と思ったものですが、そこから探偵まで使って邪魔者の過去をほじくり返し、その闇のネタを使ってキラちゃんやレイくんの中をずたずたに切り裂いたり、事実確認もせず殴りかかったり、自殺に見せかけて突き落とす。事実を確認ナイフで刺す。鉄の棒で頭を殴る。etc。
あとはまぁ、妊娠ネタがないだけであのケータイ小説の狂乱が再び。ですよ。

印象的な怖いとこもいっぱいあって
・ヒロインまさかのセリフ
「レイはたくさんの色なの。複雑で。でも貴方の絵を書くのは簡単、黒く塗りつぶすだけでいいから」
・ぶつかったおばあちゃんに向かって名もなき女子高生が言い放つ
「邪魔なんだよババァ」
・助けてくれた相手に対し
「おまえストーカーか?」

やだもうひどい!

そんな全般的に黒い内面を語るモノローグの数々。モノローグだけで会話したりするというアクロバチックな展開まであの手この手で暗い過去やな怖い思想を視聴者に語りかけてくるわけです。

ただ、なんか薄っぺらいなー。ダークな感じ頑張って出してるんだろうなー。と、若干覚めためで見ちゃうのは悪い癖ですな。まぁ、それ目的で見てるんで実際にあったら凹むことも絵空事の子供だましと捉えちゃうんですよ。楽しみにしてるひとすいません。

幸せシーンで語られる
「クリスマス、なにしたい?」
「大きなツリー見に行きたい」
とか、
砂のお城を作ったあと
「でも、これも明日にはなくなっちゃうのよね」
「俺が何度でも作ってやるよ・・・」

すべて、絶対死亡フラグだなとか勘ぐっちゃう。

最後の方では暗い闇を乗り越えた二人の海岸シーン。未来を語り、あぁ、一山あるなと思わせたあと、「さみー。ちょっと暖かいもの買ってくるから待ってて」と、死地に赴くレイくん。
で、現れましたがな。マキオ、最後の攻撃。とばかりに、まさにくるべくして現れたカレに刺される。

「僕のものにならないなら、レイ、君はもういらない」

で、刺されたあと、ホットコーヒーかなんか暖かいものを彼女に渡し、彼女の隣りに座って、頭を方に持たれ書けさせ、さらに膝に倒れかけ、やっと刺されたことに気づき、きゃーーー。

いや、まず刺されたら愛する子にコーヒー届ける(しかも自分用買いに行ったはず)病院なりなんなりが先やろ。彼女も彼女でねぇ、ねぇ。と揺すったり話しかけたりするだけで一向に救急車の気配もない。浜辺のほかの人もほったらかし。あれあれ?いいのかな?

ラストシーン。クリスマスツリーに向かう平和な友達二人(恋人未満)。待ち合わせの先にキラちゃん。
「あれから、もう1年かー」

ここで、あぁ、やっぱあれで死んだ。と思うじゃないですか。平和な二人を含んだ階層と、将来のことをニコヤカに喋ったあと、振り返ると、デデーン。

レイ登場。

生きとんのか、おまえ!

その後、二人でクリスマスツリーを観てお願い事をして、笑顔で去っていく姿を見て、声を出して笑ってしまう僕。
夜の住宅街だっただけに、見られてはいないもののやっぱり恥ずかしいったらありゃしない。

隠しテキストはここまでです。

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