クヒオ大佐
画像表示切り替え監督: | 吉田大八 |
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出演: | 堺雅人、松雪泰子、満島ひかり、中村優子、内野聖陽 |
時間: | 113分 |
公開: | 2009年 |
キャッチコピー: 嘘のない 恋愛なんて、 退屈でしょう? | |
ジャンル: コメディ、ドラマ |
コメント一覧
石田憲司 | 簡易評価: ざんねん | 見た日: 2012年12月09日 | 見た回数: 1回
でべ | 簡易評価: まあまあ | 見た日: 2010年04月24日 | 見た回数: 1回
妙なカタコト口調、外国人らしく見せるツケ鼻、いつもパリッとした軍服姿で、輝かしい経歴を振りかざす。この、どこを切り取っても胡散臭い男、しかしなぜだか女性たちは次々にコロコロと騙されてしまう。
前半は、どう考えてもありえないのに軽妙に女性をだましていくクヒオ大佐の姿をコミカルに描き、話が進むにつれて自体は深刻に、女性たちは騙されたことに気いて騒ぎ始め、結婚詐欺師としてのクヒオ大佐の正体が暴かれていく―。おもろうてやがて悲しき物語。
みたいな映画を期待していたのだけど、結局だれも騙されてくれませんでした…。田舎の弁当屋の女社長からちまちまと金をむしり取っている以外は、その胡散臭さやちょっとしたボロからすぐに怪しまれ、ちっとも詐欺を働けず、稀代の結婚詐欺師と謳われるにはあまりにミジメなお姿。
「Lie lie Lie」のような軽薄で軽快な詐欺師を見たかったでべとしては、ちょっと期待はずれだったかな。
堺雅人さんのクヒオ大佐はまさしくハマリ役だったのでなお惜しいところ。始めのほうの調子のいい大佐をいつまでも見ていたかった…。真面目で品があって背筋がいつもまっすぐ伸びていて、でもだからこそ「軍から結婚支度金が5000万円支給されることにナっているカラネ」とカタコトが胡散臭さを際立たせて、それでもいつもニコニコと「なにがおかしいのカナ?」なんて言っている姿はそのおかしさだけで満足できます。
ひとり部屋に戻り、戦闘機の図鑑を開いて、録音機(?)からそれっぽいノイズ音をかけ、「ワタシいま、イスラエル上空デース」と詐欺相手に電話をかけるシーン好きです。細かい仕込みを大雑把にやっている慣れた詐欺師らしくて。もう何十回とおんなじことやってるんだろうと。しかもイスラエル上空て!
クヒオ大佐にはもう一度会いたいけど、ラストがフニャフニャどんよりでヤな気分になったのでもうあまり見たくないかなー、残念ですが。
期待し過ぎていたんかもしれないなあ。いやね、堺雅人のコメディだと思ってたんですよねーで構えて見てたってのもあるんですが、話の作りがどーもしっくりこない。 こっちのマインドセットの問題もあるんですが、しんみりさせたり、シリアス路線も混ぜ込んできたりという流れはこちとら期待してなんです。
堺雅人自身のクヒオ大佐像は好感が持てるんですよ。微妙にツメが甘いところとかも良いですな。あっさりバレたり、簡単にあしらわれてしまったり・・・。
失敗と成功を繰り返す、ヘンテコ外国人風詐欺師と、そんな明らかにおかしい人に騙される人々を楽しく描いてくれたら良かったのになぁ。