ファイナルファンタジー FINAL FANTASY: THE SPIRITS WITHIN

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監督:坂口博信
出演:ミン・ナ、アレック・ボールドウィン、ジェームズ・ウッズ
時間:106分
公開:2001年
キャッチコピー:
闘うのか。愛するのか。
ジャンル:
SFアニメ(日本)アドベンチャーファンタジーゲームの実写化

コメント一覧

石田憲司 | 簡易評価: ざんねん | 見た日: 2010年03月16日 | 見た回数: 1回

見る前から「残念だろう」と準備しておいて、しっかり応えてくれる映画。残念映画評論家としては喜ばしい限りです。

「ファイナルファンタジー?」

全てはそこから始まります。ファイナルファンタジーを構成する要素ってなんだろ?

メジャータイトルのそれっぽい要素がほぼ皆無で、例えばちょっと前に見た「ベクシル 2077日本鎖国」のようなタイトルがついていたとしても全く違和感を感じずに見れたんじゃないかな。
また、タイトルが「ファイナル・ファンタジー」じゃなければ(見に行く人はもっと減っただろうけど)ここまでケナされまくる作品ではないと思います。マイナス点も多いですが、やっぱり頑張って作ってるのもわかるし、話しもありきたりですが、言い方変えれば大外ししないということも言えるし。
が、このタイトルを付けることで、コアなファンが多く、かつこの手の映画を見に行くのはそういった人たち、もうちょっと幅を広げたとしても少しはゲームに触れた人が9割だろうから、そりゃハードルは上がるし、そもそも面白いと思えるわけがない。シリーズは9までやっていて、10作目に取りかかってはや数年(クリアはライフワークか?)の僕が見る限りでも、やはりはっきしいって面白くない。

さすが、空前のヒット作品を生み出したスクエアが全財産をつぎ込み,会社を傾けたほどの入れ込みようだっただけあって、今となってはそれほど「おぉ、すごいぜ!」ということもないんですが、当時としては確かに群を抜いていたCG技術。まぁ、頑張ったことでしょうさ。
でもそれが面白さにつながるかどうかというのは別物。これがゲームで実際に自分で動かしてたらまた印象も違ったかもしれませんが、映画になってしまうと、勝手に話しが進んで行く中動いてるキャラをぼんやり2時間見ていただけのことなので面白さは伝わらないんですよね。

そもそも、設定(世界)がよくわからない。敵もよくわからない。味方も何がしたいのかわからない・・・困ったものです。
敵に対し武力による制圧を叫ぶ軍部と、→軍部暴走。→軍部の予想を超える反撃で壊滅。→禁断の技術を投入=主人公らの数人のパーティの独自解決行動が同時進行→エンディング。ストーリーも非常にゲーム的でしたし、味方や軍部の行動原理もしっくりこない。
さらには、主人公その他に全く感情移入できない。CGで作るとどうしても主役格は美男美女。これもまぁしょうがないんですが、下手に頑張って作った分、逆にCG臭さがにじみ出て妙に気持ちが悪かったです。
映画じゃなくて、ゲームプロモーション映像として作った方が良かったんじゃないかな。この作品を5分くらいのダイジェストにして、実際にゲームにしてしまえばファイナルファンタジーシリーズの1本分くらいにはなったろうし。映画にするってのはやっぱり制作者にとってはロマンであり憧れなのかなぁ。
映画じゃないけど「ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン」がえらく成功したのは、ゲームが良く出来ててその後の話を描いたことと、ストーリーの基本ラインが固まっているので、なんや良くわからんってことが起こりにくかったこと。映画じゃないということで、映画部じゃ書いてないけど、僕が見た感想はというと、まぁ、普通。若干、主人公格の人々がみんなアイドル顔だったことが違和感あったものの、「あーなんか懐かしい」「あのキャラ、ゲームじゃ2頭身でわからんかったけど、こういうのだったのか。」とそれなりに楽しめた部分もあったわけですね。これも今作同様にゲームやってない人には何ら面白いところがわからない作品であることも事実。あと、作品が売れた最大の要因は「映画」じゃないことかも。思った以上に世間の「映画」に対するハードルの高さってのは存在しているのかもしれません。

ということで、頑張って作った点を考慮してあげてもいいけど、まーとにかく面白くなかったし引っ掛かりもなかったことに尽きるので「残念」街道まっしぐら。

※ファイナルファンタジーを構成する要素について。
この映画でわかったのですが、クリスタルでもバハムートら召還獣でも、ラグナロクなどの武器でもなく、

“シド博士の存在!!”です。

それだけが共通アイテムでした。そうか。シド博士かー。ふーん。

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