リカウント RECOUNT

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監督:ジェイ・ローチ
出演:エド・ベグリー・ジュニア、デニス・レアリー、ケビン・スペイシー、ローラ・ダーン、ベン・ギンズバーグ
時間:116分
公開:2008年
ジャンル:
ドラマ実話

コメント一覧

柴田宣史 | 簡易評価: おすすめ | 見た日: 2009年10月29日 | 見た回数: 1回

呼吸が止まっている人がいたら、僕たちは「その人は死んだ」と考える。しかし選挙屋は違う。「いま、風で、まつげが動いた! 生き返るかもしれない!」

2000年のブッシュとゴアの大統領選挙の話なので、2008年の今だから、当然その結末はよく知っているのだけど、この映画の中ではたくさん知らないことが出てきました。

機械集計の問題点、法整備の怪しさ、重犯罪者と*似た*名前の人の選挙権剥奪など、面白いところがたくさんあるのですが、なにはさておき、選挙において、投票というのは一票一票は厳密なものだと自然に信じていたのですが、まったくそんなものではないといことでした。

「票差が0.5%以下だったときには再集計」って、非常にアバウトな世界なんですね。でも、たしかにたとえば50%の差がついていたら、もうあと、数える必要はあんまりないから、当然といえば当然。

また、ウェブ屋という職業で、インターフェイスデザインの端くれに関わるものとしては、蝶型投票用紙のことは忘れてはいけないと思う。

選管男性:なんで、2枚に分けたのだ?
選管女性:1枚にまとめると、字が小さくなるので、お年寄りは読みづらいかと思って

その配慮は正しい。そして、正しいということが問題だった。だから、時には、ひとつの側面で正しいからといって、その案が妥当だと考えてはいけない。

おっと、ケビン・スペイシーについて言及するのを忘れてた。相変わらずいい役者さんなんですが、今回はローラ・ダーンが偉かったかな? 「ジュラシック・パーク」の女博士なんですが、いい憎まれ役を好演していました。木野環境齋藤氏に「ケビン・スペイシーが出てる面白い映画があるよ」と教えてもらったんですが、いや、おもしろかったです。ありがとう。

最初に書いた通り、本作は結末を知っている話でした。2000年の選挙でもしゴアが勝っていたら、たしかに、そのあとの世界はずいぶんと様子が違っていたでしょう。民主党はその次の大統領選挙でも負け、結局ブッシュに2期連投を許し、映画を見ている最中から、「あーあ、これ負け戦なんだよなあ」と気が沈むのを禁じ得なかったのですが、ケビン・スペイシー扮する、ゴア側弁護士ロンとジェイムズ・ベイカーの最後のやりとりが、ちょっと溜飲を下げてくれます。以下、大意引用。

ロン:最良の人がなったと思うかね?
ベイカー:当然だ。

こちとら結末を知ってるんだからな、2008年になるのを楽しみにを待ってろよ、ジェイムズ・ベイカー。

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