憑神(つきがみ)

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監督:降旗康男
出演:妻夫木聡; 香川照之; 西田敏行; 赤井英和; 江口洋介; 佐藤隆太; 夏木マリ; 森迫永依
時間:107分
公開:2007年
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神様いったい、
何様のつもりですか?
ジャンル:
コメディ時代劇ドラマ

コメント一覧

柴田宣史 | 簡易評価: まあまあ | 見た日: 2011年06月04日 | 見た回数: 1回

メメント・モリ(Memento mori)という言葉がある。「死を想え」というのが定訳だろうか。

不思議なことだけど、「充実した長い一生を送る」という言葉は、言葉としては存在しうるけど、ほとんど偽の命題といってもよい。長く生きれば、人間というのはそれなりにダレて、ときには後悔の残る生き様も避けることはできないものだからだ。

自分が定命の存在であることを強く意識することで偉業を成した人物というのはたくさんいると思うけど、余命がわかることで、初めて意識的に生きることを考えるというのは、よくよくわかる発想だといえると思う。

* * *

この映画では、いわばそういった<不幸>が、人生の陰影のコントラストを際立たせることになっていて、貧乏神、疫病神、死神がコミカルに一人の侍の人生を彩ってみせてくれる。

終わりの方の、「契ったからね」というあたりとか、それなりに面白いのだけど、じゃあこの侍が死を意識することで、何をするかというと、影武者のアイデンティティを全うする、という方向に向かう。

まあ、充実するなら何でもいいとは思うけど、勝海舟の考えに共鳴したり、秀才として頭角を現した人物にしては、んー、そういう生き様なのかー、それでいーんか? という気持ちが残ってしまう。

これは、<死を意識することで人生のコントラストを出す>ということと<影武者>という案を、たまたまひとつの作品で混ぜてしまったためにおこった不協和音じゃあないかなーと。でも、そんなに悪くいう気はないんだけんどね。

あ、ちなみに石田コメント。ラストは僕も不要だと思います。陳腐ですよね。これも減点ポイントだったなあ。「嗤う伊右衛門」のラストくらい興ざめ。

石田憲司 | 簡易評価: まあまあ | 見た日: 2009年10月05日 | 見た回数: 1回

なかなか楽しかったんですが、うーん。なんだかちょっと惜しい。

もともとジャケットやら予告編とか見てた時には、比較的明るくコメディタッチで楽しそうだなぁ。と思ってた作品。ではどうだったかというと、出てくる役者さんたちも佐々木蔵之介であったり香川照之であったりとなかなかにいいところを攻めてきてましたし、ちょっと力の抜けたコメディ感がよかったです。
さらには「お、坂本龍馬(NHK新撰組:江口洋介)が勝海舟(本作)をやってるぞ」などと本編とは関係ないところを楽しんだり、死神役の子のしゃべりや振る舞いがなかなかにかわいらしくて良いねぇ。

等々好印象な作品・・・なんですが、全体的に見ると「いやー。いいもん見たなぁ。」と言う感じにまではいたらないんですよね。どこに原因があるのかというと、うーむ。なんだろう?
コメディ路線からちょっと真面目な物語に変わっていくのですが、その展開にちょっと乗り遅れてしまったというのも一因でしょうか。あとやっぱり本当のラスト(下記)がねぇ。

必要なのかな?原作者「浅田次郎」の登場シーン。

べつだん彼を出さんでもやりようはあったと思うんですけどねー。こればかりは原作に書いてあるとしたらそれはしょうがないとも思うんですがエンドロールのナレーションくらいで終わっといても良かったような・・・。

ちゅうわけで、イマイチすっきりしなかったのは残念ですが、それでも楽しく見れましたんで、ま「まあまあ」と「なかなか」の間くらいという評価で。

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