ザ・ウォーク The Walk
画像表示切り替え時間: | 123分 |
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公開: | 2015年 |
キャッチコピー: 命綱なし 一生に一度の 狂った世界を楽しめ | |
ジャンル: ドラマ、実話 |
コメント一覧
石田憲司 | 簡易評価: おすすめ | 見た日: 2018年12月03日 | 見た回数: 1回
でべ | 簡易評価: おすすめ | 見た日: | 見た回数: 1回
実話ものだし、予告やポスターからも息の詰まるシリアスな(つまり割と地味な)物語を想像していたら、見事に裏切られました。とても良いほうに。まず冒頭の小気味いい独白と、大道芸人らしい手さばきに、グッと気持ちを持っていかれます。これは、アレだ。「グランド・イリュージョン」冒頭の勢いの気持ちよさと似てる。
前半はジョセフ・ゴードン・レヴィットくん演じるワイヤー・ウォーカー、フィリップの成り立ちが語られます。かれが教えを請うのは世界一の綱渡集団を謳う「白い悪魔たち」団長、パパ・ルディ。演じるのはサー・ベン・キングズレー。この二人、肉体派のアクション俳優ではないけど、どの映画を見ても体幹が整っているというか、自分の身体と動きを制御できてて見ていて気持ちいい。おかげで軽口を叩いても罵り合っても、職人らしさがにじみ出て、物語のリアリティを高めてくれます。生半可なワガママ小僧とヘンクツ老人じゃなく、お互いに強固な信念と自信を持って、常に本気でぶつかっている。さくさくとテンポ良く展開していく物語の中で、どしっと重心が定まっていて、バランスが保てているカンジ。とくにジョセフ・ゴードン・レヴィットくんは、彼がいたから企画が持ち上がったんじゃないかと思うほどのハマり役でした。
世界中が知っている、と言われるクライマックス。ドタバタと緊張感が続く準備段階と、ワイヤーに一歩踏み出してからの静かなで安らかなフィリップだけの世界の対比。とはいえ、見ているわたしは屋上に駆けつけた警察官と同じで、ずっとヒヤヒヤしながら画面の前でワーワー言っていただけですが。
前に「マン・オン・ワイヤー」見てて、面白かった印象はあるものの、どうしてもガチのドキュメンタリーだったんで、やってることは派手なのにどうしてもドラマチックに物事が進んで・・・というのがちょい薄いなーというのもありました。
で、その同じ題材を役者さん使っての映画化作品があるのも知ってたので、今回ちょっと楽しみに見てみました。
いやー、演出というかなんというか、全く同じことをやってるんですが実にドラマチックで面白い。構成も見せ方も結構ドキュメンタリーチックに作ってあるにもかかわらず、マン・オン・ワイヤーのときに感じた記録映画問うかなんというかは一切なく、話はわかっているにもかかわらず実にスリリングで楽しい時間でした。
まぁ、マン・オン〜の方はそれこそ本人が出てきて・・・というリアリティやらなんやらはあるんですけど、そもそもやってることにリアリティがないんで(だからこそすごいんだけど)、僕自身としてはやっぱりこっちのほうが好きだなぁ。と感じました。
あー面白かった。
追記:でも高所恐怖症の人はちょっとゾワッとなるかも。僕ですらヒヤッ。と感じたもの。