天才スピヴェット THE YOUNG AND PRODIGIOUS T.S. SPIVET
画像表示切り替え監督: | ジャン=ピエール・ジュネ |
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出演: | ヘレナ・ボナム=カーター、ジュディ・デイヴィス、カラム・キース・レ二―、カイル・キャトレット、ニーアム・ウィルソン |
時間: | 105分 |
公開: | 2013年 |
キャッチコピー: 泣き方だけが、わからない。 | |
ジャンル: ロードムービー、アドベンチャー、ドラマ |
コメント一覧
石田憲司 | 簡易評価: おすすめ | 見た日: 2016年09月07日 | 見た回数: 1回
でべ | 簡易評価: なかなか | 見た日: 2016年07月15日 | 見た回数: 1回
大切なものを失って世界が欠けてしまった少年が、その悲しいできごとを受け入れるための旅をする。
見ている間、ずっと「ものすごい近くてありえないほどうるさい」(あれ?逆だったかな「ものすごくうるさい」…?あれ?やっぱりきちんと覚えられない…*1)のことを思い出していました。わたしはあれがとても好きなので、くらべてしまうと残念ながら少し分が悪い。今作は今作でなかなかよかったのですが。
見終わったあとで丞二が、ウェス・アンダーソン監督の名前を持ち出して、それもまた、ウェス・アンダーソン作品の鉄壁の隙のなさとくらべると、若干弱く感じてしまって分が悪い。もちろん、なかなかよかったのですが。
自分が幼いころに、明確に「自分と世界の接点」みたいなものを模索した記憶はないのだけど、それでもこういう物語を見ると、おじいちゃんの部屋の敷居の高さや、ひとりで乗った電車からの見慣れぬ景色への不安、自分を鼓舞する感覚を思い出します。
小さな世界から見えていた、お父さんとお母さんのズレた感覚(普通じゃない、と言ってしまう?)と大きな世界から見た、彼らの正しさのようなものも。
- *1 柴田注:「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」
柴田宣史 | 簡易評価: なかなか | 見た日: 2016年03月06日 | 見た回数: 1回
イニシャライズされているT.S.のSは、sparrowのSで、ぼく、sparrowはツバメだとおもいこんでいたのですが、ツバメはswallowでした。
作中で、sparrowをスズメといっていて、「それはおかしい」と思い込んでいたので。
* * *
小説*1の映画化なんだそうです。
長期運動機関を発明しちゃった天才少年。彼の双子の弟の死のショックの渦中の家族。天才少年だけれど、10歳の等身大の感受性も持つ彼が、モンタナからワシントンD.C.まで、発明賞受賞のスピーチに一人旅立つ……という筋なんですが、演出がさすがのジャン=ピエール・ジュネらしく、彼の作品が好きなら、それなりに浸って過ごせるかと思います。
- *1 『T・S・スピヴェット君 傑作集』
皆さんわからんくなってしまう「ものすごく近くてありえないほどうるさい」(ん?逆か?「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」)をふと思い出したんですが、あれより気持ちよくて好きですね。
永久機関作ってスミソニアンで発表するためにオハイオ州からワシントンDCまで一人で旅する10歳の少年。
もっと波乱万丈の大冒険かと思いきや、結構あっさり目で、かついい人ばかりに巡りあったりもしてたので、そういう点では物足りないかもしれないけど、その代わりと言っちゃなんですが、一人旅の不安、家庭内での居場所のなさ、弟を愛する父親と、研究に夢中な母親と・・・自分のことばかりの尾根絵ちゃんと・・・本人が思っている気持ちが実によく出ていたように感じられました。
あと、着いてからの、都会の人の嫌な感じが、道中で出会った人々の怪しいけどすっきりした感じとえらく差を感じたかなぁ。
ラストの父親・母親が生み出すナイスなノックアウトシーンなんかも気持よく、かつ、自分は愛されてないんじゃないかと思い込んでる彼に対する親の態度など、うん。なんかいいなぁ。
上手く言えないんだけど、とっても良かったぞ。