ものすごくうるさくて、ありえないほど近い Extremely Loud and Incredibly Close
画像表示切り替え監督: | スティーブン・ダルドリー |
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出演: | トム・ハンクス、サンドラ・ブロック、トーマス・ホーン、マックス・フォン・シドー、バイオラ・デイビス |
時間: | 129分 |
公開: | 2011年 |
キャッチコピー: あの日父を失くした少年の、喪失と再生のものがたり | |
ジャンル: ドラマ |
コメント一覧
石田憲司 | 簡易評価: なかなか | 見た日: 2015年09月18日 | 見た回数: 1回
柴田宣史 | 簡易評価: なかなか | 見た日: 2012年09月23日 | 見た回数: 1回
望美と丞二がほめてたので、小学校2年生の娘に911の話をしながら視聴。
まだ国家の概念なんてないし、戦争や平和についての理解もないので、911の話をすると、娘の中では端的にアメリカが悪者になっていく。
それは確かに僕の説明のし方の問題もあるのかもしれないけど、一歩引いて考えるというのは、(説明する側にとっても)ずいぶんと難しいのだなあと思う。
結局、子供にとっても、どっちかが悪者でなければ、話の整理がつかないのですね。
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本作はフィクションとしてよくできていると思うし、映画としての見せ方もとってもうまいと思う。役者もすばらしい。
ちょっとお母さんの行為にびっくりだけど、ストーリー立ても見事。
アスペルガー疑惑の少年とその両親。ドレスデンの爆撃を生き延びた老人。とくにアスペルガーの少年の演技と演出は、アスペルガーについては何にも知らない僕だけど、それでもすごいものだなあと思いました。
でも、手放しにはほめられない。すごい映画だと思ったけど、大好きとは言いづらい。
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作品についての評価をするにあたって、イデオロギー的な価値観が挿入されるのは、あまりいいことだとは思えないのだけど、歴史を知らない人によって、ふざけて用いられるハーケンクロイツをみて不快感を覚えるような、そういう不可避な心の働きでもって、本作についても、アメリカ以外の国の子供たちについて一顧だにされないことに違和感を覚えてしまう。
もちろん、もちろん物語を作る人に、そんな義務はないことはよくわかるのです。でも、「驚くほど」というべきか、アメリカの子供のことだけを書いたことで、平和を希求するメッセージでなく、ナショナリズムを発揚するメッセージが強くクローズアップされるように思うのです。
このために、ここで繰り広げられる悲しみは「描写されるもの・ありのままを描かれるもの」でなくなって、「解釈を加えられたメッセージ」に変わってしまう。
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その行為によってたくさんの人が悲しむということを想像できなかった訳でもなかろうに、飛行機で突っ込むことを実行した人たちを、当然正当化はできないのだけど、あれだけのことをしないと、そこに問題があったことに誰も気づかない世界だったということなのかとも思うのです。
アカデミー賞でなんかとったんだだっけ?くらいのノリで観始めました。らしいというかなんというかです。はい。テーマ的にも悪く言うにはちょっと勇気がいる感じではありますね。
ちなみに、見ながらどことなく方向性は違うのに「ペイ・フォワード」とか思い出してました。
いやね、いろいろと難しいこと抜きにして映画として見てもいい映画でした。鍵を巡る冒険の過程で閉ざされた世界が開いてく様もそうですし、その広がる世界でもやっぱりあの事件の影響が多分にあって、それでも生きていく多くの人々の生き方も描かれてる。
鍵の旅を終えたあと、最後の主人公の彼が手紙を書いたり、お母さんと和解(?)する所もよろしい。もともとのお母さんとの心の距離感があるように感じさせておいて、実際にの彼女のとった行動や、同じ世界を共有している感じというのかな?その辺りも結構いい感じで、これが父と息子の。な世界だったら間違いなく涙腺崩壊だったんじゃないだろうか?と思わせるものでしたしね。
そうそう。トム・ハンクスがやってたお父さん像がなかなかステキだったことも付け足しときます。
おバカ映画ばっか見てますが、たまにはこーいうのもいいですな。