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ハンナ・アーレント Hannah Arendt
画像表示切り替え監督: | マルガレーテ・フォン・トロッタ |
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出演: | バルバラ・スコヴァ、アクセル・ミルベルク、ジャネット・マクティア、ユリア・イェンチ、ウルリッヒ・ヌーテン、ミヒャエル・デーゲン |
時間: | 114分分 |
公開: | 2013年 |
ジャンル: 伝記、実話、法廷 |
コメント一覧
柴田宣史 | 簡易評価: おすすめ | 見た日: 2015年12月25日 | 見た回数: 1回
金 克美 | 簡易評価: おすすめ | 見た日: 2013年07月22日 | 見た回数: 1回
映画は、アーレントが雑誌『ニューヨーカー』の特派員として、アドルフ・アイヒマンの裁判を取材して書き上げた短い本『イェルサレムのアイヒマン―悪の陳腐さについての報告』の発行にまつわる、彼女の身の回りに起きた出来事について描かれていた。
NYタイムズの映画評のなかで、監督のメッセージとして「私は伝道者ではない。自分が興味を持った女性の人生を描いているだけ。もしこの映画にメッセージがあるとしたら、それはイデオロギーやファッションを追いかけるのではなく、自分の頭で考えないといけないということだろう。ハンナはそれを「手すりなしで思考する」とよんでいた」とあった。
映画ではアーレントが若いころ、大学の授業で「Thinking! Thinking! Thinking!」と、深く思考することを説くハイデガーに深く感銘をうけたシーンがある。あれ、うわぁ、ハイデガーの授業!! 受けてみたかった!とちょっと感動したことはさておき、「深く思考する」ということをもう一度考えさせられた。
名作だとおもう。
時代工房には、自分の判断を棚に上げて作業をするときに、少々ふざけて「アイヒマン方式」という言葉があります。時代工房のメンバーが本当にアイヒマン方式を採用することはないのだけど、まあ、そのモトネタのアイヒマン裁判とハンナ・アーレントのお話。
この映画の直後、娘と「アウトブレイク」を見たのだけど、あの映画には、命令に従わない兵士が山盛りなので、それが痛快でした。
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ユダヤ人は彼女を誇っても良いと思うのだけど、ナチスの思考停止とはまた違った方向に思考停止してしまった人々にハンナ・アーレントの言葉が届かない。
残酷に家族を殺された人々からすれば、ハンナ・アーレントが冷静なだけで、もう許せないのだろう。
現象学の巨人のハイデガーの高弟らしい洞察をうまく映画化していると思います。
ちょっと驚いたのは、アイヒマン裁判は、あれ、一部実際の映像ですよね? んでもって、それにしてもずっとタバコ吸ってるのね、彼女。