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でべ | 簡易評価: まあまあ | 見た日: 2010年07月13日 | 見た回数: 1回
さえない少年が3DCGの不思議な生物と心を通わせて、ひとまわり成長する物語。あらすじだけなら「ミラクル7号」と大差ない作品。 こういう「イマイチ」なのか「まあまあ」なのか判断つきかねる映画を見たとき、わたしの気持ちの落ち着きどころは丞二のひと言にかかっているみたい。見終わったとき、相手の顔をうかがわなくても自信を持って「おもしろかった」「つまらなかった」と言える映画がある片方で、笑って見ていたのに「くだらん映画だった」と一蹴される作品もあれば、ぶつぶつ文句を言っていたのに「なかなか好感持てる」と評価を得る作品もある。わたしが何か言いたくてうずうずしているときでも、黙って次のDVDに差し替えるだけのことも、ある。
「いけちゃんとぼく」はまさしく丞二の評価待ち映画。とにかくいろんなことが「まあまあ」なのだ。 あらすじが良いか?ほのぼのしてて決して悪くない、でも転も結も予想を上回ることはなく、まあまあ。 役者が良いか?子供が主役なのであまり良し悪し言えない、でも良くも悪くも、まあまあ。 演出が良いか?絵がカラフル、衣裳がかわいくて好き、その他はそつなし、まあまあ。 音楽が良いか?忘れた、だからまあまあ。 あまりに「まあまあ」の映画は「まあまあ」であることによって人を「イマイチ」な気分にさせることがある。もちろん「まあまあ」なので見ている間は一応楽しめるのだけど、さらっとしすぎてケチをつけたくなるのだ。
実はわたしには「まあまあ」以上のことがいくつかあった。
いけちゃんという不思議な生き物は、いつからか主人公の少年の近くにいて、彼を励まし話を聞き、ずっと一緒にやってきた。そのいけちゃんの声が蒼井優ちゃんなのだけど、男でも女でも子供でも大人でもなくて、友達でもありつつ相手を受け入れるどこまでも限りなく優しーい存在を、もう見事にこなしてくれて、これはネタバレなので伏せときますが(バレてもあまり困らないけど)、話が進むにしたがって現れるいけちゃんの変化も、ほわほわとあったかくてきゅんとなれる。「鉄コン筋クリート」に引き続き、「声」の蒼井優はいいぞ!あの西原理恵子の原作そのままって感じの、CGにした時点でちょっと残念な生き物も彼女の声に助けられて見ていられたような気がする。
少年ヨシオの見ている世界が、昔はわたしも見ていたことを思い出してどきりとしたり。よくある描写ではあるのだけど、お風呂で頭洗うときに目を閉じたら背中にオバケの気配を感じるとか、夜中のトイレが怖いとか。そういう感覚をきちんと箱詰めして作品として、わたしの目の前に出してくれる「作家さん」って偉いもんだなーと。子供の臭いに自分の記憶をよみがえらせる柴田さんのように、わたしもときどきこういう表現に出会ってぞわっとする。そのリアルな実感はやっぱり女性作家が書いたものだからだろうか?
でも「イマイチ」なこともちょっとだけあった。
どうしようもなかったし、わたしが現場にいてもそうするだろうけど、いけちゃん・・・。まんま原作どおりの姿なのだけど、実写の少年の横にいると微妙すぎ。形を変えなくてもいい、せめてもっとゼリーっぽいとか、フェルトっぽいとか質感が実写になじんでいればいいんだけど、そうでもなくCGのオブジェクトです!と言わんばかりのマットな質感、かつ口元の巻き込み方、目元の貼り付け感がどうにも「いかにも」で・・・。シンプルな形だからこそあらが目立つ。どーもくんに似てるし。
さてこんな気持ちで、さあ丞二はどう出るかな?と身構えていたのです。
・・・意外とおもしろかったよ?
そーだよね!蒼井優ちゃん良かったよね!あそこでさ・・・
としばらく盛り上がりオノウチ家の夜は更けていったのでした。
***
あ、最後に。 同い年のはずのともさかりえさんが、すっかり小学生のお母さん役でちょっとびっくりしました・・・。そんな年かー。
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さえない少年が3DCGの不思議な生物と心を通わせて、ひとまわり成長する物語。あらすじだけなら「ミラクル7号」と大差ない作品。
こういう「イマイチ」なのか「まあまあ」なのか判断つきかねる映画を見たとき、わたしの気持ちの落ち着きどころは丞二のひと言にかかっているみたい。見終わったとき、相手の顔をうかがわなくても自信を持って「おもしろかった」「つまらなかった」と言える映画がある片方で、笑って見ていたのに「くだらん映画だった」と一蹴される作品もあれば、ぶつぶつ文句を言っていたのに「なかなか好感持てる」と評価を得る作品もある。わたしが何か言いたくてうずうずしているときでも、黙って次のDVDに差し替えるだけのことも、ある。
「いけちゃんとぼく」はまさしく丞二の評価待ち映画。とにかくいろんなことが「まあまあ」なのだ。
あらすじが良いか?ほのぼのしてて決して悪くない、でも転も結も予想を上回ることはなく、まあまあ。
役者が良いか?子供が主役なのであまり良し悪し言えない、でも良くも悪くも、まあまあ。
演出が良いか?絵がカラフル、衣裳がかわいくて好き、その他はそつなし、まあまあ。
音楽が良いか?忘れた、だからまあまあ。
あまりに「まあまあ」の映画は「まあまあ」であることによって人を「イマイチ」な気分にさせることがある。もちろん「まあまあ」なので見ている間は一応楽しめるのだけど、さらっとしすぎてケチをつけたくなるのだ。
実はわたしには「まあまあ」以上のことがいくつかあった。
いけちゃんという不思議な生き物は、いつからか主人公の少年の近くにいて、彼を励まし話を聞き、ずっと一緒にやってきた。そのいけちゃんの声が蒼井優ちゃんなのだけど、男でも女でも子供でも大人でもなくて、友達でもありつつ相手を受け入れるどこまでも限りなく優しーい存在を、もう見事にこなしてくれて、これはネタバレなので伏せときますが(バレてもあまり困らないけど)、話が進むにしたがって現れるいけちゃんの変化も、ほわほわとあったかくてきゅんとなれる。「鉄コン筋クリート」に引き続き、「声」の蒼井優はいいぞ!あの西原理恵子の原作そのままって感じの、CGにした時点でちょっと残念な生き物も彼女の声に助けられて見ていられたような気がする。
少年ヨシオの見ている世界が、昔はわたしも見ていたことを思い出してどきりとしたり。よくある描写ではあるのだけど、お風呂で頭洗うときに目を閉じたら背中にオバケの気配を感じるとか、夜中のトイレが怖いとか。そういう感覚をきちんと箱詰めして作品として、わたしの目の前に出してくれる「作家さん」って偉いもんだなーと。子供の臭いに自分の記憶をよみがえらせる柴田さんのように、わたしもときどきこういう表現に出会ってぞわっとする。そのリアルな実感はやっぱり女性作家が書いたものだからだろうか?
でも「イマイチ」なこともちょっとだけあった。
どうしようもなかったし、わたしが現場にいてもそうするだろうけど、いけちゃん・・・。まんま原作どおりの姿なのだけど、実写の少年の横にいると微妙すぎ。形を変えなくてもいい、せめてもっとゼリーっぽいとか、フェルトっぽいとか質感が実写になじんでいればいいんだけど、そうでもなくCGのオブジェクトです!と言わんばかりのマットな質感、かつ口元の巻き込み方、目元の貼り付け感がどうにも「いかにも」で・・・。シンプルな形だからこそあらが目立つ。どーもくんに似てるし。
さてこんな気持ちで、さあ丞二はどう出るかな?と身構えていたのです。
・・・意外とおもしろかったよ?
そーだよね!蒼井優ちゃん良かったよね!あそこでさ・・・
としばらく盛り上がりオノウチ家の夜は更けていったのでした。
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あ、最後に。
同い年のはずのともさかりえさんが、すっかり小学生のお母さん役でちょっとびっくりしました・・・。そんな年かー。