タイム・マシン 80万年後の世界へ The Time Machine

画像表示切り替え

Amazon で タイム・マシン 80万年後の世界へ を買う

監督:ジョージ・パル
出演:ロッド・テイラー、アラン・ヤング、イベット・ミミュー
時間:102分
公開:1960年
ジャンル:
SF

コメント一覧

でべ | 簡易評価: なかなか | 見た日: 2010年07月19日 | 見た回数: 1回

語る者のもっとも多く、口にする者はもっとも少ない…のはロマネ・コンティですが。
いやいや、見た人もそりゃあたくさんいるでしょうが、古く名作過ぎてあちこちに陰がチラチラと見えるばかりで今までかすりもしなかった映画。「サマータイムマシン・ブルース」映画版のタイムマシンはこの型だったし、海外ドラマ「ビッグバン★セオリー」のレナードが800ドルで落札したのもこのタイムマシンだった。いろんなタイムマシンはこの「タイムマシン」に影響を受けているんだろうとわくわく挑む。が、逆に目新し(?)すぎて、これがタイムマシンの元祖だというには型破りのような。「サマータイムマシン・ブルース」に書いたでべのタイムマシン論になんて何ひとつ当てはまりません。

まず「現在」とのカラミは皆無。
タイムマシンものでは時間移動がきっかけで現在が過去が未来が変わってしまう、というのが話のカギを握る…ような。そこで何が起こるか、どうつじつまを合わせるかが話のミソの…ような。一切ありません。主人公は少しだけ寄り道するものの、行き先は80万年後の未来、一カ所だけです。しかも映画公開年(1960)の少し先、1963年に世界大戦で世界が壊れてからは、80万年後まで埋められっぱなし。ここで現在と未来との時間を完全にシャットアウト。いわゆる「未来」にありがちな科学技術の進んだ裕福かつ無害な世界描写みたいのもなし。それに善し悪し言うつもりはないけど、ちょっとびっくりしたもので。

それから、マシンについても。
なんと時間指定ができない。レバーを奥へ倒すと未来へ、手前に倒すと過去へ。レバーの倒し具合でスピード調整をして止まるのも目分量。だいたい、どこかを目指してタイムとラベルするという感覚がない。行きたい時間へ飛べるのがタイムマシンだと思っていたでべは目からウロコ。
そして、乗り物型でも転送型でもないマシンはなんだか昔の偉いコンピュータみたい。強いて言うなら据え置き型かな。

あとみんなタイムマシン知らないんだねー。タイムマシンてのは何かっていう話から入るのも新鮮でした。
ぶつぶつ言いましたが、斬新(?)さにびっくりしただけで映画を悪く言う気はまるでありません。びっくりできたからこそ、面白かったんだと思うし。

ラストシーンの心憎い演出が印象的。忘れないうちにメモを取りました。

ここから先はお話の核心に関わる記述があります。このリンクで読み飛ばせます。あるいは次の見出しにスキップしてください。

友人「彼が手ぶらで行くはずがない、何か持っていったはずだ」
メイドさん「あ、本が3冊ありません」
友人「どんな本だ」
メイドさん「さあ…わかりません。重要なこと?」
友人「さてね、君ならどんな本を持っていく?」

隠しテキストはここまでです。

名作だと思ってましたが、amazonでは手に入らないんですねー。なんとも。