シン・ジョーズ Atomic SHARK

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監督:A・B・ストーン
出演:レイチェル・ブルック・スミス、ジェフ・フェイヒー、デヴィッド・ファウスティーノ、ボビー・カンポ、マライア・ボナー
時間:84分
公開:2016年
ジャンル:
サメコメディパニック

コメント一覧

石田憲司 | 簡易評価: ざんねん | 見た日: 2018年10月06日 | 見た回数: 1回

しばっちが珍しく「生体兵器 アトミック ジョーズ」なんてのを見たりしてるんですが、こちらはアトミック・シャークです。ジョーズとシャークはどっちでもいいような気もするんですが別の映画で、なぜか邦題は「シン・ジョーズ」。
シン・ゴジラのアメリカ版である(←嘘)

これがまた非常にむちゃくちゃで楽しい。人類の罪(sin)を背負ってやってくるアトミックシャーク(シン・ジョーズ)。

人類はどう立ち向かうのか!!

ここから先はお話の核心に関わる記述があります。このリンクで読み飛ばせます。あるいは次の見出しにスキップしてください。

ゴジラっぽいオープニングから始まり、冒頭からもはや泳ぐ核爆弾という無茶な設定。

アメリカ政府としてはそもそも核爆弾なんかあった日にゃ確実に処理班に任せて、ビーチ一体完全封鎖。関係者は隔離&なんだったら抹殺くらいしそうなものなんですが、おおらかに白服研究員を派遣して調査を重ねているだけ。対応に当たるのはライフセーバーたちで、警察も軍もまったく動かない。

最近の作品らしくドローン使いまくりの今作ですが、新しけりゃいいってもんじゃない。

まず、多分古い映像にメルトダウンゴジラから発想を得たと思われる赤く光るコーティングをサメにほどこし・・・出来上がり。簡単!

泳いでるときのヒレも赤く光ってたりするんですが、あれ?サメのヒレってこんな形でいいのか?というような二等辺三角形(直角が頂点の向き)でスイスイと泳いでる。

だってもっとすごいんだもん。おっさんの後ろから迫ってサメが体当たりすると、おっさんは後ろに吹っ飛ぶという物理法則をも超えた力を持ち、船に体を乗せただけで船は大炎上。噛み付く相手には燃やして噛みちぎるという、お、なんか「るろうに剣心」の志々雄ののこぎり刀ってそんなんじゃなかったっけ?
泳げばあまりの高熱に周りの魚たちはこんがり焼け死んでビーチに打ち上げられるという始末。あ、ただしそんなビーチですが閉鎖はされません。だって夏だし!

更には、汚染された魚を食べると本人は経絡秘孔を疲れたかのように膨れ上がり爆発。と、同時に魚たちも炎を上げて爆発するというトンデモ設定。
ただ、それで満足しないのがこの映画。レストランに食レポに来たおっさんをその方法で爆破させ、さらには厨房も食べてる人々も爆破という大惨事を引き起こしたにもかかわらず、ミシュラン的評価は星が3から2に減るだけ。おおらかだ。きっとかなりうまいからそんな事件があっても踏ん張れたんだろうさ。

他にも火の輪をくぐりつつ人を食べてみたり、動やってるのかわからないけど頭と足とをまっぷたつにしてみたりもする。
人類側も黙っていない。ライフセーバーのキャプテンがモノローグ(俺は以前〇〇と戦った。・・・・みたいな)とともに一人かっちょよく槍一本でサメに向かっていきます。画角も変え、スローモーションでうぉーーー!・・・、ぱくっ。おわり。

ついで今度はビーチの上まで迫ってくる巨大なアトミックシャークちゃん。浅瀬。という概念はない浜辺で一気に砂浜を教習。ヒロインの相方の「鮫で死ぬよりSNSで死ぬヤツのほうが多い」との名言を残したインスタグラマーをどうやったのか殺戮方法は不明ながらも抹殺。

さらにはエコロジストで環境バタの研究者の卵と自分でも素人アピールしているヒロインが何故か「海水につかっていないと爆発寸前よ。1メガトンくらいの大爆発!」と言い切る。お前詳しいな!こわーい!

が、ん?海水につかっていないと爆発するという設定に対して赤く光った背びれはどうなんだ?あそこは爆発しないの??
とか、そういうツッコミもなくはないんでしょうが、そのへんはサメ映画だからお許しあれ。背びれが迫ってこないと鮫っぽくないでしょ。

さらにヒロインまくしたてる(注:カッコ内は僕の心の内)
・これは政府に任せておけない
(なぜ?)
・政府だとビーチごとふっとばすかも
(そこまでアホじゃないだろ!)
・だってあの鮫のこと知らないし
(調べてたよ)
・私たちでなんとかしなきゃ
(なぜ??)

と短略的に突っ走る。仲間も仲間で。

・作戦立てたぞ。爆弾でふっとばすってのは?
(サメ映画の定番!)
・だめよ。この辺り一帯2万年生き物が住めなくなるわ。
(そうだそうだ)
・こういうのはどう?沖に追いやるの。
(?)
・いいわね。
(いいのか?)
・で、沖で爆発させるの
(あかんやろ!)
・どれくらい離れればいい?数十メートル
(ちかっ!)
・よし、やろう!
(やるな!)

そもそも核爆弾爆発させようってときに数十メートルくらいで大丈夫なん?ってところですが。一応勉強してるヒロインが言うことなんで間違いないんでしょう。他の人も大の大人が5〜6人いて誰も否定しないしさ。

では、ヒロインがパパのボートを使っておとり大作戦。この映画がコメディ映画であるというようなくだらない船上のトークやら何やらやってるうちにまず一人死ぬ。

そして逃げたり追ったりしながら一人、また一人と死んでいく。ユーチューバーみたいなコンビの片割れが船から落ち、こちらは普通のサメにやられる。哀れ・・・。片割れを失った女子、自暴自棄になってヒロインを殴りつけ、更にはダイナマイトで自爆しようとする・・・もみ合って冷静になって、さぁ・・・というところで改めてサメが登場。船艇から頭を突っ込んで血迷った女子を一口。ん?空気中に触れたら燃えるんじゃなかったっけ?ダイナマイトいっぱいですが・・・。

とかなんとか言ってるうちに残りあと二人。ヒロインとオーランド・ブルーム似。当然ながらコメディなので、もう二人だ。死ぬかもしれない。キス・・・とはならず、ヒロインはその気全くなし。私が合図したら私とともにサメをぶっ飛ばして・・・・という無茶な要求を押し付けた上で、壊れた船のエンジンにまたがってサメと競争。

合図きたー!

え~い、泣きながら・・あれ?つかない。あ!コードどっか行っちゃった!

モー、何やってんのよ!的にもめたあと、無人島に逃げるヒロイン。追いかけるサメちゃん。一気に上陸。で、のたうち回るサメちゃん。水ないしね。さすがの高熱で島の生木も燃える。どんだけ熱いねん。で、なんでヒロイン平気やねん。

逃げるヒロイン。泳ぎまくってオーランドのもとへ。更に船で逃げる!!!

爆発。きのこ雲と言うより、タイムボカンのドクロみたいな雲。形は、お、サメが口開けた形じゃないか。これやりたかったんだろうなぁ。

近場で煙にも巻き込まれたものの何故か無事な二人。被爆確実&多分熱でやられますよね・・・なんてことを言っていてはこの映画は楽しめません。当然、予告も何もなしに原子爆弾が爆発したことによる国際問題的な何か。とかも起こりません。単にあの雲を映画の締めで出せたので丸く事件は解決です。

隠しテキストはここまでです。

いやー。これこれ。
アホで定番があって真面目に見るのが馬鹿らしくなるという、サメ映画としては非常にできの良い作品でしたね。

できればネタバレ無しで見てあまりの無茶苦茶具合にあんぐりと口を開けながら楽しめると思います。

鮫の惑星2と違ってこちらは自身を持って「おすすめ」する残念映画でした。