イット・フォローズ it follows

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監督:デヴィッド・ロバート・ミッチェル
出演:マイカ・モンロー、キーア・ギルクリスト、ダニエル・ゾヴァット、ジェイク・ウィアリー、オリヴィア・ルッカルディ
時間:100分
公開:2014年
キャッチコピー:
“それ”は ずっとずっと憑いてくる
ジャンル:
ホラー青春

コメント一覧

柴田宣史 | 簡易評価: なかなか | 見た日: 2016年10月16日 | 見た回数: 1回

一発アイデアもの。

いわゆる「性病」の映画と言えばそう言えるのだけど、セックスを介して呪いがうつされるということにしてあるらしい。

いわゆるルールが幾つかあるのだけど、こういうルールって、提示されると、抜け道を探したくなって、それは楽しい。

ここから先はお話の核心に関わる記述があります。このリンクで読み飛ばせます。あるいは次の見出しにスキップしてください。

  • ソレは、セックスを介して他者にうつせる
  • ソレは、罹患(?)経験のあるものにだけ、可視化する
  • ソレは、見るひとによって、違った見え方をする
  • ソレは、原則徒歩で移動するので、高速移動手段で距離と時間を稼げる
  • ソレは、移動は緩慢だか、賢いので、ドアとかは開けちゃうし、いろいろ工夫をしてくる
  • ソレは、どうやら不死身(銃で頭を撃たれても死なない)
  • ソレは、物理的現象を越えられない(壁抜けとかできない)
  • ソレに追いつかれると惨殺される
  • ソレは目標を惨殺すると、目標がひとつ前の対象者にさかのぼる

呪いが広まっていく物語類型だと「リング」なんかその典型だけど、本作がウマいのは、うつした相手がやられてしまうと、うつした人にさかのぼってくること。

だから、モテなさそうなひとにうつしちゃうと、すぐに殺されて自分に帰って来ちゃう。

ゆえにこの呪いは容姿端麗の上部構造(違)で、ひろまることになる。

本作の一応の解決のとおり、性風俗を介在させれば、それでいいのかもしれないけど、パズルとしては、性風俗を利用しても、遡りを原理的に止めづらいので、本質的な収束は難しい。

でも、びっくりなのは、物理的な存在だってことかしら。

鉄砲で撃ったら血が出るし、シーツをかけたら、追われていないひとにも姿がわかる(いちおう呪われたひとしか姿が見えないことになっている)。

だからうまくやると、抜け出せないところに一定長期間(80年くらい)閉じこめたら、収束するのかもしれない。

隠しテキストはここまでです。

ちょっと面白いな、と思ったのは、「つけてくるヒト」をどう見分けるか、です。

たしかに、明らかにおかしい風体のヒトがつけてくるのだけど、すがたは、一定ではないんです。一定でないすがたのデザイン達がそれぞれなかなかいいんですが、自分に向かってまっすぐ向かってくるひとって、それだけで異質な存在なんだなあと思いました。