鑑定士と顔のない依頼人 La migliore offerta
画像表示切り替え監督: | ジュゼッペ・トルナトーレ |
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出演: | ジェフリー・ラッシュ、ジム・スタージェス、シルヴィア・ホークス、ドナルド・サザーランド |
時間: | 131分 |
公開: | 2013年 |
ジャンル: サスペンス |
コメント一覧
柴田宣史 | 簡易評価: まあまあ | 見た日: 2016年12月11日 | 見た回数: 1回
でべ | 簡易評価: おすすめ | 見た日: 2016年08月13日 | 見た回数: 1回
トルナトーレ監督は「ニュー・シネマ・パラダイス」と「海の上のピアニスト」くらいしか知らなくて、ジャンルがサスペンスだったのでちょっと不思議な気がしていました。邦題や日本公開時のビジュアルも、あまりサスペンスの雰囲気が感じられずに疑っていましたが、いやはや。たいへん品の良い、そしてたいへん緊迫感溢れる、見事なサスペンスでした。
いろいろ面白かったのですが、なにしろサスペンスなので、あまり多くを語りたくないんですよ。いい映画ほど、うっかりネタバレすると、映画を台無しにしてしまう恐れがあるので。
なので、本筋とは関係のないことを。上手いサスペンス映画は、自分が映画だということを上手に逆手に取ってくれます。映画ってそもそも嘘じゃないですか。嘘でひとを楽しませたり、驚かせたりする。見る方も嘘だとわかっているから、非現実的でありえない事態でも、そこに気持ちを乗せることができる。じゃあ映画で嘘を見せるとき、どうやって観客に疑いを持たせるか。「映画なんだし、そういうことも起こるかもね」と受け流されてしまうのか、「こんなことが自然に起こるもんだろうか…?」と不審な気持ちにさせるのか。映画そのものが嘘だとわかってみているのに、わたしたちは登場人物の嘘を見抜いたり、不信感を抱いたりすることができる。これを分かりやすく説明されちゃうとつまらないわけですよ。追われている緊張感や、相手の正体がわからない不安や、いきなり出てきて驚かせるみたいな、はっきりした緊迫感も決して悪くはないんだけど、あれ?もしかしたら?と思える程度の、でも見過ごせない程度の些細な疑いによる緊張感、みたいなものを感じられると心地いい。
というわけで、おすすめ。
(絶対に守ってほしいこと)
まだこの映画を見ていないなら、興味があっても絶対にwikipediaのページを開かないで!
んー、でべちゃんの褒め方も美しかったし、鬼塚さんも褒めてたので、期待しすぎちゃった。
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奥さん+6年生女子+僕で見たんですが、ドナルド・サザーランドが、
というセリフを言った時点で、大人二人は完全にパンチラインが見えちゃったんですね。
というか、ドナルド・サザーランドって、こういうの「出落ち」っていわないのかな、顔見ただけで、キーパーソンなのが間違いなくって、存在自体が不自然で、誘目性が高すぎる人を起用しちゃったな、という印象です。
もちろん映画の良いところとしては、トルナトーレの女性の描き方は相変わらずだし、
を裏付けるようなラストシーンのカフェで待つ彼とか、いろいろとあるのだけど、ね。
隠しテキストはここまでです。
ちょっと、ざーんねん。人にすすめないとは言わないけど、のりきれなかったですね。