まじめに作ってあるし、こういうふうに映像化した、という点では本当は「なかなか／おすすめ」したい気分なのだけど、いや、それにしてもちょっと長過ぎる。

「トロイ」も長いのだけど、本作では、ヘレネとパリス王子のなれそめ部分が、やりすぎなくらい長い。この部分はもうちょっとまとめて1/3くらいにしてほしいほどでした。かなりヘレネとパリスに同情的な作りなので、そうしたのだろうけど、ちょっとダラダラし過ぎです。

＊　＊　＊

びっくりなのは、アキレスが坊主頭なことです。「トロイ」では、ブラッド・ピットですよ？　坊主頭のアキレスっていうのは、かなり大胆な演出だとは思ったのだけど、ギリシアを悪者として描く本作だったらアリなのかもしれません。

で、どっちかってえと、英雄というより蛮勇なので、パトロクロスの下り──つまり「親友を殺された怒り」というような人間味のあるエピソード──とか出てこないんですね。

で、ギリシアが悪者なのでその総大将のアガメムノンは、こんなに悪者のアガメムノンみたことない、というくらい悪者ですが、これもなんだか新鮮でした。

＊　＊　＊

上述のパトロクロスのくだりと、ラオコーンのくだりが省略されているのが残念ですが、長い、ということ以外はあんまり文句のない作品でした。

次は「トロイ」をみる予定ですが、あっちも長いんだよなあ。