鯛が美味しくなってきた柴田さんじゃあありませんが、年をとってくると、経験値が上がって想像力も現実的に働くようになり、スクリーンで起こる出来事を追体験できるようになってくる。だからこういう「切ない」映画が身に沁みるようになる。言葉だけ書くと年寄り臭くていやですが、息が詰まるようで、それでもずいぶん心地の良い映画でした。

主人公の不器用な振る舞いは「エターナル・サンシャイン」のジム・キャリーを思い出させて、その心もとない印象はとてもよく似ているけれど、エターナル・サンシャインのような突飛なストーリーでなく、「なんとなく生きてきた」ユアン・マクレガーの直面する現実が身の丈に近い。

素敵なおじいちゃんがトラップ大佐だとあとから知りました。