127時間 127 Hours
画像表示切り替え監督: | ダニー・ボイル |
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出演: | ジェームズ・フランコ、ケイト・マーラ、アンバー・タンブリン、リジー・キャプラン、クレマンス・ポエジー |
時間: | 94分 |
公開: | 2010年 |
ジャンル: ドラマ、実話 |
コメント一覧
柴田宣史 | 簡易評価: なかなか | 見た日: 2016年07月31日 | 見た回数: 1回
でべ | 簡易評価: なかなか | 見た日: 2012年01月21日 | 見た回数: 1回
今後見る人の期待値をあげてしまう、つまらないコメントかも。悪しからず。
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週末の午後、まったりしたあたたかい部屋でどんな映画を見るか。落岩に挟まれて身動きの取れないまま127時間ひとりきりの映画は選ばない方がいいだろうね。聞いただけで眠くなりそう。並の映画でも途中で眠気が勝ってしまうことはよくある。だけど今回はほかに見たいのがなくて無謀な挑戦をすることに。半分くらいは最後まで見られないだろうと思いながら。
ところが眠いどころか緊張感で目が離せなかった。ストーリーは上に書いたとおり。それ以上でも以下でもない。
主人公がその筋のプロなので127時間、かれはほとんど何もしない。あれやこれや余分なことをして失敗を繰り返したり、取り乱しておかしくなったり落ち込んだりせず(いくらかはする、でも私が思っていたよりしない)、知りうる限りの知識を動員して冷静にことに当たるし、何ができないかもはっきりわかってる。映画にするなら、あれこれして抑揚をつけた方が簡単だろうにそうしない。物語はよりリアルだし深刻だ。
時間の使い方がうまい。あんまり詳しくしゃべってしまっても面白くないので適当に読み飛ばしてほしいけど、身動きが取れなくなって、しまった!となった瞬間に、見ているこっちも「あ、ここから127時間か」と耐久レースの時計が回り始める。ただ体力のある最初の3日くらいはあっという間に過ぎて、だんだんゆっくりになっていく。こういうのが演出力かと。
まだ見てないけど多分残念な「岳」のことを考えてみる。主人公が昔話の三歩くんみたいに見える。技術も体力もあって屈託のない気持ちのいい青年で、正義感も強い。でもひとりでなんでも出来る、という無謀な思い込みがある。小栗くんはこうでないんだろうなあ。「岳」はお涙頂戴なんだろうなあ。つまんないなあ。
昨年末の海外映画の小さい賞では、「ブラック・スワン」と並べて取り上げられてましたが、それも納得。
ジェームス・フランコ、いい顔になったなあ。
タイトルが出るタイミングがいい。
コンパクトにまとまった良品。ダニー・ボイルは、ちょっと苦手で、かつ、ちらちらした演出は彼らしいのだけど、主人公が好感の持てる人物なのがマル。