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柴田宣史 | 簡易評価: ざんねん | 見た日: 2023年06月05日 | 見た回数: 1回
たいへん不快。
昨晩見終わって、一晩寝て起きたけど、思い返しても不快。
本作を好きな人は、以下、読まないほうがいいです。嫌いなので、ネタバレ隠しもしません。
* * *
一緒に見ていた娘には、「物語の登場人物というのは、ある種の記号なので、そんなに気持ちを寄せて一喜一憂していると大変だ」という趣旨のことを、本作の第2章あたりを見ていたときに言っていたのだけど、最終的には、あんまりにもぼくが不快で、娘と立場が逆転する始末。
数日前に、この話を丞二としたときには、「柴田はけっこう物語に気持ちを持っていかれるほうだ」と言われたけど、たしかにそうなのかもしれない。
でも、なんというか、物語の登場人物に、というより、そういう登場人物を作る奴らが嫌なのです。物語は、記号でもって、人の心に影響を与えてくるわけだが、たとえば「嫌な人物を描いていたら、嫌な人物は酷い目にあってほしいでしょ?」ということは、ある程度、普遍的な心の理ことわりかもしれないけど、その「嫌な人物」にも描き方というものがあって、それが好みと違うのが嫌なのです。
本作については、「こういう展開をどのように気持ちよく解決してくれるのか」と、なにかしらの巻き返しを期待して見てたのだけど、結論としては、成り行き任せの無策。嫌な展開をそのままやって、バカとクズばっかり生き残って終わり。
生き残るクズ──サンサ・スタークは、秘密にすると誓った次のシーンで秘密を暴露して、のうのうと生き残ってるけど、あれ、納得して見てられるものなのか。そもそも、助けに来てくれたデナーリスへの対応が酷い。自分は前線にも立たず、恩を感じることもなく、約束も守れない人物が旧態依然の北部を治めるというのは、愚王が連続した世界におけるなにかの皮肉としか思えない。それともそういう人でなければ、よい治世ができないということか?
ジョン・スノウ。いっさい頭を使わない、ただの馬鹿。玉座を望まないんだったら、デナーリスが言った通り、黙ってればいいのに、そんなこともできない。こいつが街の人々を焼いたと言ってもいい。デナーリスが街を焼くときに一緒に焼かれればよかったのに。せめて、デナーリスを刺し殺した直後に自死しろよ。とにかく生き残んなよ。
ティリオン・ラニスター。女王を信じるなら、なんでヴァリス公に情報を共有するのさ。善良かもしれないけど、馬鹿どものなかにいる不快要素の一つ。
振り返ってみると、ハウンドとジョラー・モーモントくらいしか好ましい人物がいない。
デナーリス・ターガリエンの長い旅の末路を──最初、幼かったデナーリスといっしょに歩んできた視聴者の気持ちも全否定するような、こんなふうに締めくくる決断がよくもできたものだなと思う。ナイーブな努力は全て無に帰すことがあり、短絡的に動く人たちが生き残ることが世の常だと言えばそうだろうけど、そんなこと、お前に言われなくてもわかっとるわ。
物語の最後は、生き残った雑魚と一緒に王都を治めるティリオン、北部を治めるサンサ、自由民と壁を越えるジョン、旅に出るアリアで締めくくられる。空はなんか晴れやかで、さんざん引っ張ってた「冬」はどこにあるのか。それくらい、ちゃんとやれよ。かくも不快な人々が生き残っている世界は、雪に閉ざされて然るべきだろう。
ドラマとしては、見続けてもらわないといけないから、見ている人を生かさず殺さず、適当にストレスを与えつつ、「解決の難しい問題」を提示して、視聴者が見続ける状況を作る。物語が収束に向かったら逃げ切っておしまいという印象。
タイジュは7章から面白いと言ってたけど、ぼくは誰にも勧めないです。クソが。
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たいへん不快。
昨晩見終わって、一晩寝て起きたけど、思い返しても不快。
本作を好きな人は、以下、読まないほうがいいです。嫌いなので、ネタバレ隠しもしません。
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一緒に見ていた娘には、「物語の登場人物というのは、ある種の記号なので、そんなに気持ちを寄せて一喜一憂していると大変だ」という趣旨のことを、本作の第2章あたりを見ていたときに言っていたのだけど、最終的には、あんまりにもぼくが不快で、娘と立場が逆転する始末。
数日前に、この話を丞二としたときには、「柴田はけっこう物語に気持ちを持っていかれるほうだ」と言われたけど、たしかにそうなのかもしれない。
でも、なんというか、物語の登場人物に、というより、そういう登場人物を作る奴らが嫌なのです。物語は、記号でもって、人の心に影響を与えてくるわけだが、たとえば「嫌な人物を描いていたら、嫌な人物は酷い目にあってほしいでしょ?」ということは、ある程度、普遍的な心の理 かもしれないけど、その「嫌な人物」にも描き方というものがあって、それが好みと違うのが嫌なのです。
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本作については、「こういう展開をどのように気持ちよく解決してくれるのか」と、なにかしらの巻き返しを期待して見てたのだけど、結論としては、成り行き任せの無策。嫌な展開をそのままやって、バカとクズばっかり生き残って終わり。
生き残るクズ──サンサ・スタークは、秘密にすると誓った次のシーンで秘密を暴露して、のうのうと生き残ってるけど、あれ、納得して見てられるものなのか。そもそも、助けに来てくれたデナーリスへの対応が酷い。自分は前線にも立たず、恩を感じることもなく、約束も守れない人物が旧態依然の北部を治めるというのは、愚王が連続した世界におけるなにかの皮肉としか思えない。それともそういう人でなければ、よい治世ができないということか?
ジョン・スノウ。いっさい頭を使わない、ただの馬鹿。玉座を望まないんだったら、デナーリスが言った通り、黙ってればいいのに、そんなこともできない。こいつが街の人々を焼いたと言ってもいい。デナーリスが街を焼くときに一緒に焼かれればよかったのに。せめて、デナーリスを刺し殺した直後に自死しろよ。とにかく生き残んなよ。
ティリオン・ラニスター。女王を信じるなら、なんでヴァリス公に情報を共有するのさ。善良かもしれないけど、馬鹿どものなかにいる不快要素の一つ。
振り返ってみると、ハウンドとジョラー・モーモントくらいしか好ましい人物がいない。
デナーリス・ターガリエンの長い旅の末路を──最初、幼かったデナーリスといっしょに歩んできた視聴者の気持ちも全否定するような、こんなふうに締めくくる決断がよくもできたものだなと思う。ナイーブな努力は全て無に帰すことがあり、短絡的に動く人たちが生き残ることが世の常だと言えばそうだろうけど、そんなこと、お前に言われなくてもわかっとるわ。
物語の最後は、生き残った雑魚と一緒に王都を治めるティリオン、北部を治めるサンサ、自由民と壁を越えるジョン、旅に出るアリアで締めくくられる。空はなんか晴れやかで、さんざん引っ張ってた「冬」はどこにあるのか。それくらい、ちゃんとやれよ。かくも不快な人々が生き残っている世界は、雪に閉ざされて然るべきだろう。
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ドラマとしては、見続けてもらわないといけないから、見ている人を生かさず殺さず、適当にストレスを与えつつ、「解決の難しい問題」を提示して、視聴者が見続ける状況を作る。物語が収束に向かったら逃げ切っておしまいという印象。
タイジュは7章から面白いと言ってたけど、ぼくは誰にも勧めないです。クソが。