ボビー・フィッシャーを探して Searching for Bobby Fischer

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監督:スティーブン・ザイリアン
出演:ジョー・モントーニャ、ローレンス・フィッシュバーン、ベン・キングズレー
時間:110分
公開:1994年
ジャンル:
ドラマ

コメント一覧

石田憲司 | 簡易評価: おすすめ | 見た日: 2016年10月19日 | 見た回数: 1回

結構将棋界に憧れがある僕です。それに比べると似てるのに遠い存在の「チェス」の世界。
王様とる目的のゲームなので、やることは同じ。それぞれの駒の動きが違うけど、それぞれの特性を活かして攻めるという点も同じ。取ったやつは基本おけないという点は違うけど(そーいうルールがあった気がするのだけど、映画の中で、相手のを取ってるシーンがあって、チェスの認識が揺らいでいます。)、この辺の壁の高さは、なんとなく日本人だから。みたいなのがあるのかしら。

ということで本作。タイトルはともかくとして、実際に「ボビー・フィッシャー」さんを探すわけではない。チェス界における第2第3のボビー・フィッシャーを探す課程における、そこに飛び込んできた子供の成長物語といったらいいのかな?ただ、見てるこちらからすると、才能ある子供たちを以下に育てていくか。みたいな視点で見ちゃってました。

特に、才能があるとわかると、その世界に集中させようとする父親と、楽しむことが第一という母親の差だったり、正統派のセオリー通りに打たせようとするチェスの先生と、街で賭けチェスをしているおじさんの荒くて力強い攻め方の考え方の違いだったりと、結構チェスの世界以外でも似た構造って起こるだろうなぁ。という印象が強かったです。

例えばとある分野に一点集中型と、いろんな世界を体験してそれを吸収してその分野に活かすという2パターン。どちらも一長一短でいいとこも悪いとこもあると思います。
僕自身は広い世界で色々やったほうがいいのだ。と、実感もすればそちら寄りの考えでもあるんだけど、果たして今実際にやってることは逆になってないかい?とかね。

まぁ、ちょっと個人的な感想が多すぎて映画に触れてなかったですね。印象的なかっちょいいシーンも結構有りました。

公園で賭けチェスをしているおじさんたちのスピードチェスのシーンや、抑圧されたチェス漬け環境から開放された子供が、逆に一気に覚醒して勝ち上がっていく様子。英才教育な強敵が現れて(こいつが結構目付きの悪い嫌なエリート感が出てる)、最後頂上決戦で・・・のくだりなんかスポ根要素もあってなかなかのもの。

ここから先はお話の核心に関わる記述があります。このリンクで読み飛ばせます。あるいは次の見出しにスキップしてください。

最後の勝負で自分が勝ったことが見えたのに、あえて手を差し伸べて引き分けにしようという所なんて、映画じゃなくてもいい制度だなー。とか思いますね。将棋にも似たようなのあったりするのかな?

隠しテキストはここまでです。


あと、クラスじゃなかなか友だちもできない感じだった主人公の子が、ラストでチェス仲間の年下の子と肩組んで仲良くしゃべりながら歩いてるとことかも。

まぁ、ちょっと地味なので、評価的には甘いかなー。というのもなくはないんですが印象深いいい映画でした。