時は1930年代、アメリカ大恐慌の頃。街には失業者があふれ、隣家が銀行に差し押さえられることも珍しくない。

新聞記者に憧れる少女キット・キットリッジ。編集長にキツいことをいわれても、めげずに持ち込みを続ける彼女の家にも大恐慌が暗い影を落とす。学校の授業の一環で、炊き出しのボランティアをしている彼女の元に現れたのは、愛する父だった……。

というかんじ。

で、父ちゃんがシカゴに職を探しに行っている間を食いつなぐために、家を下宿にして貸し出すことで起こる、とある騒動を描くのだけど、たいへんほどよい児童文学感。

ちょっとおもしろいのはホーボーという言葉。赤ヘル、ビートニク、ヒッピーとか、時代とともに失われていった言葉だけれど、なんとなくほどよろしい言葉だなあと思いました。