迷子の警察音楽隊 ביקור התזמורת

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監督:エラン・コリリン
出演:サッソン・ガーベイ、カリファ・ナトゥール、ロニ・エルカベッツ
時間:87分
公開:2007年
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エジプトからやってきた 音楽隊が届けたものは、 人が恋しくて、 家族が大切で、 そんな当たり前のことが 大事に思える 素敵な夜でした。
ジャンル:
音楽ドラマ

コメント一覧

でべ | 簡易評価: なかなか | 見た日: 2013年11月28日 | 見た回数: 1回

この映画がじんわり楽しめるなら、わたしもそろそろフランス映画デビューできるかしら、と錯覚させるほど、淡々とした映画でした。そのように丞二にはなしたら「短いからね」と。

存続が危ぶまれて後がないエジプト警察音楽隊が、威信をかけてでかけたイスラエル遠征、でも街の名を読み違えてたどり着いたのは荒涼とした寒々しい田舎町。こんな風にあらすじを聞くと、敵視したり和解したり、お国柄を超えて音楽で繋がる心温まる物語、みたいのを簡単に想像してしまうのだけど、そこはフランスとイスラエル合作映画。そんなに簡単には行きません。ドラマティックな展開も楽隊の演奏もなく、迎えを待つ一夜を静かに淡々と、もうそれ以外の言葉が浮かばない、淡々と描いていきます。頑固で規律正しい楽隊の隊長と食堂のさばけた女主人、プレイボーイのトランペット吹きと奥手の男の子、作曲をやめてしまったクラリネット吹きととげとげしい家族と暮らす失業中の若者。
大真面目だからこそすこし滑稽で寂しい。
それを意識させるかのように、地元の女主人がこう言います。

子供のころは毎週テレビでエジプト映画を見てたわ。
毎週金曜日の12時から母と姉と一緒に。その時間は街には人がいなくなった。
オマー・シャリフが好きだった。
あんな悲恋に憧れたわ。今夜はまるで映画みたい。

観た映画の数、というより、この映画が楽しめるほどに歳をとったのかしら、と気持ち良く思える一本でした。短いしね。