‘09年、イギリス映画。ジェイク・ウェスト監督。
離婚したヴィンスを励まそうと、友人たちが旅行に連れ出す。
ところが行き先の町では、軍の陰謀で、女の住民が食人鬼と化していた。
果たしてヴィンスたちは、血に飢えたフェミニスト軍団から逃れられるのか? というお話。
何ら期待せずに観て、率直な感想は「何これ、おもしろっ!」でした。
ホラー映画というより、ジェンダー・テーマの風刺コメディ。
とにかく男たちのバカさ加減が笑えます。
それでいて、ホラーとしても成立しているのが偉い。
女ゾンビの特殊メイクがきっちり怖いため、ただの感染者ではなく、立派な化け物となっています。
まぁ、メイクを落としたら化け物、という人は実在しがちですが・・・・おっと。
恐怖演出も丁寧だし、スプラッター描写もあり。だからこそ笑いが引き立つというもの。
シリアスとギャグを絶妙に織り交ぜ、変幻自在にストーリーが展開します。
ジレットは、飼い馴らされた男の象徴。
ジッポーは、男気と友情の証。
ラジコンは、男の子の血が騒ぐ。
それまで女に虐げられてきた野郎の、ブレイクスルーが痛快です。
ただし一方で、彼らの自覚なき女性蔑視と、それによる自業自得という視点もあり。
ヴィンスの妻にも、きっと言い分があったはず。
そもそも、うまくいく結婚生活なんて、本当にあるのでしょうか?
ハァ・・・・(溜息)。
そんな物語とは裏腹に、ホラーとコメディが、幸福な結婚を果たしている作品と言えます。