よくあるアメコミヒーロー全員集合の能天気な作品郡とは違います。
アメコミヒーロー全員集合ものは大嫌いで全く観る気がしなかった。
が、押井守監督が著書「押井守の映画50年50本」の中でこの作品を取り上げて大変評価をしていた。
で、どんな作品か気になり観てみた。
とても良かった。
平和を維持(戦争回避)するためには真っ正直なだけではダメっていうDr.マンハッタンのオチの付け方がイイね👍️
ウォッチメン スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
フォーマット | 吹き替え, ドルビー, ワイドスクリーン, 字幕付き, 色 |
コントリビュータ | ジャッキー・アール・ヘイリー, ビリー・クラダップ, ザック・スナイダー, カーラ・グギーノ, ローラ・メンネル, パトリック・ウィルソン, マット・フルーワー, マリン・アッカーマン, マシュー・グード, スティーヴン・マクハティ, ジェフリー・ディーン・モーガン 表示を増やす |
言語 | 英語, 日本語 |
稼働時間 | 2 時間 42 分 |
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商品の説明
★この衝撃をウォッチせよ! 迫力のアクションと衝撃の映像、クールな音楽が創り出す驚愕のビジュアル・ワールド!
★「300<スリーハンドレッド>」のザック・スナイダー監督作!全米初登場第1位を獲得!
★世界を揺るがす事件の陰には“監視者”がいた。ウォッチメンと呼ばれた彼らが今、次々と消されていく。闇に隠された想像を絶する巨大な陰謀。真実の先に待ち受けるものとは・・・
★映画化不可能と言われた原作を、とびきりクールに仕上げた超大作。迫力のアクションに衝撃の映像、物語を彩るハイセンスな音楽。全く新しいヒーロー・ムービー!
【Disc-1】
●空想世界のテクノロジー
【Disc-2】
●コミックを変えたコミック
●現実世界のスーパー・ヒーロー
●ビデオ・ジャーナル
(1)ミニッツメン
(2)セットにかける情熱
(3)スーパー・ヒーローの衣装
(4)ナイトオウルのアーチー
(5)デイブ・ギボンズ
(6)燃える男たち
(7)ザック・スナイダーの映像美
(8)青き超人
(9)細部へのこだわり
(10)2人のスーパー・ヒロイン
(11)ロールシャッハのマスク
●NBSニュース
●マイ・ケミカル・ロマンス ♪廃墟の街(ミュージックビデオ)
●イースターエッグ(The Keene Act & You)
※ジャケット写真、商品仕様、映像特典などは予告なく変更となる場合がございますのでご了承ください。
登録情報
- アスペクト比 : 2.35:1
- メーカーにより製造中止になりました : いいえ
- 言語 : 英語, 日本語
- 梱包サイズ : 19 x 13.6 x 1.7 cm; 99.79 g
- EAN : 4988113824644
- 監督 : ザック・スナイダー
- メディア形式 : 吹き替え, ドルビー, ワイドスクリーン, 字幕付き, 色
- 時間 : 2 時間 42 分
- 発売日 : 2009/9/11
- 出演 : ジャッキー・アール・ヘイリー, パトリック・ウィルソン, ビリー・クラダップ, マリン・アッカーマン, マシュー・グード
- 字幕: : 英語, 日本語
- 言語 : 英語 (Dolby Digital 5.1), 日本語 (Dolby Digital 5.1)
- 販売元 : パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
- ASIN : B001NABQ1I
- ディスク枚数 : 2
- Amazon 売れ筋ランキング: - 85,763位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 1,798位外国のSF映画
- - 6,729位外国のアクション映画
- カスタマーレビュー:
イメージ付きのレビュー

4 星
密度の高い作品(2層 AVC TrueHD5.1ch+特典BD)
伝説のグラフィック・ノベルが「300<スリーハンドレッド>」のザック・スナイダー監督により映画化。舞台はニクソン大統領政権下の米ソ冷戦が続く架空のアメリカ。歴史的出来事の裏には6人のスーパー・ヒーロー“ウォッチメン”の存在がという設定。少々とっつきにくい内容で、一度観ただけでは解りづらい部分もあった。皮肉とユーモアに溢れ、楽曲の使い方も面白くクスリとさせられる。2度3度と観ると新しい発見があり、また違った見方が出来る様な気がした。画質は、最新作らしいHD映えのする画。重く暗い陰影が良く表現された映像は一見の価値がある。解像感も高く人物の質感もしっかりと感じられ、闇に浮かぶバラエティに富んだキャラクターが際立つ。最新技術を駆使した映像は見応え十分。ただ、それ故かシーンによってバラつきを感じてしまい少々統一感に欠ける印象は受ける。青く光るDr,マンハッタンの映像等でその違和感を感じた。音質も上々。何処となくノスタルジックながら、迫力のあるサラウンドと臨場感が味わえる。全体的にシャリシャリとした少々硬めの音であるとは感じたが、台詞・効果音ともに非常にクリアで通りが良い点は素晴らしい。特典は、別途特典ディスクを用意。HD画質を主体に115分のボリューム。セルソフトの特典として非常に満足出来る。こちらのメーカーにはそろそろ吹き替えもロスレスで収録して欲しいと願う。きちんと日本向けにローカライズし、不要な言語を排せば可能なはず。詰めの甘さは改善していただきたい。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年10月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2023年6月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
原作の事は良く知らなかったのですが、カルト的な作品の様で、アメコミ的世界観をメタに見るみたいな性格の作品の様です。そこで、単純な正義が勝つと言うカタルシスは退けられていると言う事が言えると思います。さらに読者や視聴者を選んでしまう性格を帯びる事となり、評価の賛否が分かれるのですがそれは必然となると思えます。
でも、作品を観通すと、いろいろ感じる、触発されることも少なくないので、あれこれ感じたことを述べたいなと思います。
この作品にはニクソンが辞任しない世界として描かれますが、これはスーパーヒーローの登場によって準備されたと言う風に解釈されるようです。パラレルワールドと言う事なのですが、このパラレルな感じとは私には二つの側面がある様な気がするのです。それは論理的な面と心理的な面であると。アメコミやヒーローもの全般はすべてパラレルワールドとも言えますが、大体心理的な要請に基づくと考えていいと思うのです。この作品の分岐点は、DR.マンハッタンの存在、その誕生に有ると感じました。彼の存在自体がどうにも心理的な物で、表層的な科学性は疑わしいと感じたのです。しかしそれは作品の欠点となるのは思えません。彼の存在抜きにはストーリーが成立しないからです。
ニクソンが失敗せず、レーガンが大統領選に出馬を示唆されるのは、この世界と現実とを両方見る事を意味するのだと。この映画のBGMに良く知られた60年代の音楽が目立つ形で使用されているのは、音楽が実際の世界を否定できないと示唆する役目を負うと感じるのです。この作品は80年代が現在とされ、この60年代と80年代の落差と言うか、両方にリンクする感じがある様に感じます。60年代の失敗が80年代の今に現実化する、これはDR.マンハッタンと言う存在を指すと考えられます。
火星で座禅を組み宙に浮くDR.マンハッタンはニュー・エイジ的な物のように見えます。何かの本で読んだ記憶では、ニュー・エイジはヒッピーがヤッピーとして資本社会に溶け込んだことにより生まれた思想だとされていたような。内面的に超越する、宇宙と合一するみたいな感じは、でも主観性から離れていない様にも感じられるのですが、マンハッタンの背中を捉えたカメラの視点の存在からそんな風に感じたのです。アメコミのヒーローも超越者も失敗する事には変わりはないと言う様な。その意味では結末を含めて、60年代から80年代を生き延びた人の感性を背景として感じざるを得ないと言えます。ゆえに若い人、そうした背景にあまり馴染み無く、関心の薄い人からは理解されにくい性質があるなと。
あとウォッチメンの中で一人だけ異質な存在が居ます。それはナイトオウル/パトリック・ウィルソンです。彼だけが内面のトラウマを抱えない人物の様に思えます。その上に、法に従順な様にも感じます。これは鈍感さ、アメリカ的なそれの様に思え、彼の持つ行動力とその無力さがストーリー上示されていますが、これは政治的に言えばリベラル層の持つ性格を意味するのかなと感じました。でも性的には充実は得られると言う。
ザック・スナイダー監督は1966年生まれとの事で、80年代をヴィヴィットに記憶しながらそれをメタに見るフレームとして、原作に忠実な絵作りを心掛けたとも言えるように感じるのです。それは何故60年代の音楽が優位性があるのかと言う点にもリンクしていると。
でも、作品を観通すと、いろいろ感じる、触発されることも少なくないので、あれこれ感じたことを述べたいなと思います。
この作品にはニクソンが辞任しない世界として描かれますが、これはスーパーヒーローの登場によって準備されたと言う風に解釈されるようです。パラレルワールドと言う事なのですが、このパラレルな感じとは私には二つの側面がある様な気がするのです。それは論理的な面と心理的な面であると。アメコミやヒーローもの全般はすべてパラレルワールドとも言えますが、大体心理的な要請に基づくと考えていいと思うのです。この作品の分岐点は、DR.マンハッタンの存在、その誕生に有ると感じました。彼の存在自体がどうにも心理的な物で、表層的な科学性は疑わしいと感じたのです。しかしそれは作品の欠点となるのは思えません。彼の存在抜きにはストーリーが成立しないからです。
ニクソンが失敗せず、レーガンが大統領選に出馬を示唆されるのは、この世界と現実とを両方見る事を意味するのだと。この映画のBGMに良く知られた60年代の音楽が目立つ形で使用されているのは、音楽が実際の世界を否定できないと示唆する役目を負うと感じるのです。この作品は80年代が現在とされ、この60年代と80年代の落差と言うか、両方にリンクする感じがある様に感じます。60年代の失敗が80年代の今に現実化する、これはDR.マンハッタンと言う存在を指すと考えられます。
火星で座禅を組み宙に浮くDR.マンハッタンはニュー・エイジ的な物のように見えます。何かの本で読んだ記憶では、ニュー・エイジはヒッピーがヤッピーとして資本社会に溶け込んだことにより生まれた思想だとされていたような。内面的に超越する、宇宙と合一するみたいな感じは、でも主観性から離れていない様にも感じられるのですが、マンハッタンの背中を捉えたカメラの視点の存在からそんな風に感じたのです。アメコミのヒーローも超越者も失敗する事には変わりはないと言う様な。その意味では結末を含めて、60年代から80年代を生き延びた人の感性を背景として感じざるを得ないと言えます。ゆえに若い人、そうした背景にあまり馴染み無く、関心の薄い人からは理解されにくい性質があるなと。
あとウォッチメンの中で一人だけ異質な存在が居ます。それはナイトオウル/パトリック・ウィルソンです。彼だけが内面のトラウマを抱えない人物の様に思えます。その上に、法に従順な様にも感じます。これは鈍感さ、アメリカ的なそれの様に思え、彼の持つ行動力とその無力さがストーリー上示されていますが、これは政治的に言えばリベラル層の持つ性格を意味するのかなと感じました。でも性的には充実は得られると言う。
ザック・スナイダー監督は1966年生まれとの事で、80年代をヴィヴィットに記憶しながらそれをメタに見るフレームとして、原作に忠実な絵作りを心掛けたとも言えるように感じるのです。それは何故60年代の音楽が優位性があるのかと言う点にもリンクしていると。
2023年5月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
深い面があり、いい映画だと思います。しかし、少し単調で、長い感じをうけました。それも良いところかな。
2012年6月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「ブレードランナー」を別格として
今まで観たSF映画の中では、有無を言わせずダントツの最高傑作です。
この映画が「難解」であるというレビューがありますが、
ミスリードのレビューです。難解なことは断じてありません。
構造が重層的だとか象徴的だとかという要素はないです。
普通に観れば、最高に楽しめて理解できる映画です。
ザック・スナイダー監督の手腕に拍手喝采です。
冒頭、ボブ・ディランの曲に乗せて展開される
過去スーパー・ヒーロー達が関係した事件の紹介シーンで、まずノックアウトされます。素晴らしい。
(JFK暗殺シーンは実際の報道映像を完璧に再現していて思わずうなると思います)
登場するスーパー・ヒーローの中では、
生身の肉体で勝負する泥臭いロールシャッハに感情移入してしまいます。
少女を誘拐し殺した後、飼い犬に食わせてしまうという鬼畜犯人に
「人間なら逮捕するが犬なら殺す」と言い放ち
肉切包丁で犯人の頭めがけて躊躇なく何度も振り下ろし、ぶち殺した後で
「神は人間など気にもとめていない。この腐った世界は人間が創ったものだ」
・・・と嘆くロールシャッハのセリフにはシビレます。
いわば、小さな正義感から行動するロールシャッハに対して
終盤、この映画のメインテーマとなる、
刻々と核戦争による世界の終焉が現実味を帯びてくる中
「世界平和」実現のために一部の人間の生命を犠牲にするのは是か非かがクローズアップされてきます。
「宇宙規模でみる時、生命存在とは過大評価された現象だ」とクールに断じる、
Dr.マンハッタンの超越した思考は、ロールシャッハの行動規範とは対立しています。
「世界平和」実現のためには一部の善良な人間の抹殺は全く問題ないとする考え方です。
スーパー・ヒーローの一人が殺された事件をきっかけに、
その謎解きとスーパー・ヒーロー達の苦悩、そして
人類の重要な問題をスーパー・ヒーロー達の正義感に任せてよいのかというのが、この映画のすべてです。
Dr.マンハッタンから見れば、昆虫のアリの如く卑小な存在であるロールシャッハが
自らの信念を貫き通すラストシーンの「落ち」には拍手喝采、感涙でした。
哲学的命題を含みながらも、映像の創り込みが素晴らしくエンターテイメント性も抜群な映画です。
多くの人が切望する、日本語字幕の付いた
「アルティメットカット版・ディレクターズカット版」が発売されれば購入するつもりです。
今まで観たSF映画の中では、有無を言わせずダントツの最高傑作です。
この映画が「難解」であるというレビューがありますが、
ミスリードのレビューです。難解なことは断じてありません。
構造が重層的だとか象徴的だとかという要素はないです。
普通に観れば、最高に楽しめて理解できる映画です。
ザック・スナイダー監督の手腕に拍手喝采です。
冒頭、ボブ・ディランの曲に乗せて展開される
過去スーパー・ヒーロー達が関係した事件の紹介シーンで、まずノックアウトされます。素晴らしい。
(JFK暗殺シーンは実際の報道映像を完璧に再現していて思わずうなると思います)
登場するスーパー・ヒーローの中では、
生身の肉体で勝負する泥臭いロールシャッハに感情移入してしまいます。
少女を誘拐し殺した後、飼い犬に食わせてしまうという鬼畜犯人に
「人間なら逮捕するが犬なら殺す」と言い放ち
肉切包丁で犯人の頭めがけて躊躇なく何度も振り下ろし、ぶち殺した後で
「神は人間など気にもとめていない。この腐った世界は人間が創ったものだ」
・・・と嘆くロールシャッハのセリフにはシビレます。
いわば、小さな正義感から行動するロールシャッハに対して
終盤、この映画のメインテーマとなる、
刻々と核戦争による世界の終焉が現実味を帯びてくる中
「世界平和」実現のために一部の人間の生命を犠牲にするのは是か非かがクローズアップされてきます。
「宇宙規模でみる時、生命存在とは過大評価された現象だ」とクールに断じる、
Dr.マンハッタンの超越した思考は、ロールシャッハの行動規範とは対立しています。
「世界平和」実現のためには一部の善良な人間の抹殺は全く問題ないとする考え方です。
スーパー・ヒーローの一人が殺された事件をきっかけに、
その謎解きとスーパー・ヒーロー達の苦悩、そして
人類の重要な問題をスーパー・ヒーロー達の正義感に任せてよいのかというのが、この映画のすべてです。
Dr.マンハッタンから見れば、昆虫のアリの如く卑小な存在であるロールシャッハが
自らの信念を貫き通すラストシーンの「落ち」には拍手喝采、感涙でした。
哲学的命題を含みながらも、映像の創り込みが素晴らしくエンターテイメント性も抜群な映画です。
多くの人が切望する、日本語字幕の付いた
「アルティメットカット版・ディレクターズカット版」が発売されれば購入するつもりです。
2021年7月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
一見B級映画並みの内容だと思いながら、美しい画像に最初から惹きつけられ、終わってみたら、非常に面白い、皮肉と示唆に飛んだ大人のための超A級映画だった。ただの痛快勧善懲悪ヒーロー物とは真逆だが、政治家と同じでヒーローたちも人間の醜い部分と善良な部分を併せ持つ。愚かさと賢さ。所々思わず吹き出しそうになるユーモアも。ジャスティスリーグのスナイダー版も好きだが、私的にはこのウオッチメンが1番の傑作だと思う。
2017年12月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
先ず原作を読んでから観るように勧めるレビューが目につくのですが、私は原作を読んでいません。
とはいえ、アメコミヒーローものとしては普通に楽しめたつもりです。
正義感の拠り所は、ローリーとダニエルのほぼ個人的な事情、ロールシャッハの感情的な社会性、コメディアンの愛国心、エイドリアンのちょっと怪しいけど一応名目としては人類愛、オスターマンの超越的なニヒリズム(以上かなり乱暴な決めつけ方なのは承知の上で)と様々で、これが葛藤の素になることでいろいろと考えさせられます。
結末の全面核戦争回避のシーンで私が思い浮かべたのは、第二次世界大戦での日本への原爆投下という歴史的事実でした。当時の米国の戦争指導者は自国の戦闘犠牲者を増加させないという名目がこれを正当化すると判断しました。
たしかに日米双方にさらなる戦闘犠牲者は出さずに済んだとはいえるでしょう。現実に特攻を控えていたなど、すんでのところで命拾いした人もいるでしょう。ですが、それはあくまでも具体性のない「仮に長引いたとすれば」の話であり、実際、長引いてさらなる犠牲者がでていたとしても、それは原爆のように全面的に一方的なものではなかったでしょうし、したがって生き残った者の意識は異なるものであったはずです。
原爆で亡くなった人々は、少なくとも局地的な見方からすれば、相手と武力を交えた結果敗れたのではなく、反撃のすべも余地もなく不意に一方的に殺されたのです。そのうえ、戦後、多くの人々が命は長らえても自身のみならず孫子の代にまで負の遺産を担わされることになりました。
映画での事態は、世界中で比較的小規模の核爆発を起こすことで全面核戦争を回避するということなので、かなり状況は異なるのですが、それでも、これによって大切な人を亡くした世界中の人々が、何によって自分が生き長らえることになったのかをいずれ知らされる状況を想像してみれば、数十億を救うために数百万が犠牲になれば済むという単純な数の話で割り切ることはできないでしょう。
さらに、コメディアンやオスターマンが、ケネディ暗殺やベトナム戦争、さらにはデモの鎮圧から核抑止力まで政治の道具としてさんざん利用されていたというエピソードに接すると、現実にそうした存在があれば、犯罪組織のみならず、なるほど国家権力もまた放っておくはずがないことに思い当たり、これまでいだいていた無邪気なアメコミヒーロー像が、私の中で、核兵器並みに危険で愚劣な様相を帯びるに至ってしまいました。
とはいえ、アメコミヒーローものとしては普通に楽しめたつもりです。
正義感の拠り所は、ローリーとダニエルのほぼ個人的な事情、ロールシャッハの感情的な社会性、コメディアンの愛国心、エイドリアンのちょっと怪しいけど一応名目としては人類愛、オスターマンの超越的なニヒリズム(以上かなり乱暴な決めつけ方なのは承知の上で)と様々で、これが葛藤の素になることでいろいろと考えさせられます。
結末の全面核戦争回避のシーンで私が思い浮かべたのは、第二次世界大戦での日本への原爆投下という歴史的事実でした。当時の米国の戦争指導者は自国の戦闘犠牲者を増加させないという名目がこれを正当化すると判断しました。
たしかに日米双方にさらなる戦闘犠牲者は出さずに済んだとはいえるでしょう。現実に特攻を控えていたなど、すんでのところで命拾いした人もいるでしょう。ですが、それはあくまでも具体性のない「仮に長引いたとすれば」の話であり、実際、長引いてさらなる犠牲者がでていたとしても、それは原爆のように全面的に一方的なものではなかったでしょうし、したがって生き残った者の意識は異なるものであったはずです。
原爆で亡くなった人々は、少なくとも局地的な見方からすれば、相手と武力を交えた結果敗れたのではなく、反撃のすべも余地もなく不意に一方的に殺されたのです。そのうえ、戦後、多くの人々が命は長らえても自身のみならず孫子の代にまで負の遺産を担わされることになりました。
映画での事態は、世界中で比較的小規模の核爆発を起こすことで全面核戦争を回避するということなので、かなり状況は異なるのですが、それでも、これによって大切な人を亡くした世界中の人々が、何によって自分が生き長らえることになったのかをいずれ知らされる状況を想像してみれば、数十億を救うために数百万が犠牲になれば済むという単純な数の話で割り切ることはできないでしょう。
さらに、コメディアンやオスターマンが、ケネディ暗殺やベトナム戦争、さらにはデモの鎮圧から核抑止力まで政治の道具としてさんざん利用されていたというエピソードに接すると、現実にそうした存在があれば、犯罪組織のみならず、なるほど国家権力もまた放っておくはずがないことに思い当たり、これまでいだいていた無邪気なアメコミヒーロー像が、私の中で、核兵器並みに危険で愚劣な様相を帯びるに至ってしまいました。
2020年11月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
1本の映画に良くもこれだけ詰め込んだものです。
出演者を少なめにしてさらに一人一人の人生を追求し過ぎないことで上手く仕上げている訳ですが、この辺りのバランスは素晴らしい。
荒唐無稽のヒーロー物なので多少細かいことは許されますし・・・。
この危険思想盛りだくさんな作品が、もし当時1985年制作であったなら大問題作扱いになっていたでしょう。
当時のアメリカ人が政治や資本主義に対する絶望していたこと、それがベトナム戦争のトラウマ抜きでもあったことが伺えるというだけでも価値ある作品です。
やりたくないのですが「今のあの国で」と考えると・・・・そう、すっと入ってきてしまって怖さ十倍になります。
似たようなことを考えている人間の存在が徐々に見えてきてしまった現在の「あの国」では。
出演者を少なめにしてさらに一人一人の人生を追求し過ぎないことで上手く仕上げている訳ですが、この辺りのバランスは素晴らしい。
荒唐無稽のヒーロー物なので多少細かいことは許されますし・・・。
この危険思想盛りだくさんな作品が、もし当時1985年制作であったなら大問題作扱いになっていたでしょう。
当時のアメリカ人が政治や資本主義に対する絶望していたこと、それがベトナム戦争のトラウマ抜きでもあったことが伺えるというだけでも価値ある作品です。
やりたくないのですが「今のあの国で」と考えると・・・・そう、すっと入ってきてしまって怖さ十倍になります。
似たようなことを考えている人間の存在が徐々に見えてきてしまった現在の「あの国」では。
2019年12月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
原作を知らずに観ましたが、十分に楽しめました。
「何が起こっているのか?」探っていく序盤、誰が敵かわからない中盤、ラストの緊迫感と結末の余韻にたっぷり引き込まれました。
ラストの展開は、本をよく読む人には陳腐に思えるかもしれません。
しかし黒幕の最後の表情、出版社でのやりとりは、なにかゾッとするというか素直に味わえないが大事なことを突き付けられた気持ちになりました。
こういう感情を、スーパーヒーローだの火星だのを使っても違和感なく味合わせてくれた作品はすごいと思います。
逆にそうした題材を使わなければ描けない話であり、原作の評価の高さもうなずけます。
ヒーローとはいえ、ウルトラマンや仮面ライダー、暴れん坊将軍や仕事人ではこういう話にできないでしょう。
恋愛、アイデンティティ、世界平和までを個人からマクロの視点までふんだんにぶちこみ、いつまでも考えられる映画です。決して小難しいのではありませんが、「とにかく立ち回りが見たい」「かっこいい奴が見たい」という人には向きません。
ミステリ好き、社会派ドラマ好きにはおおいに受けると思います。逆にアクションファンやSFファンにはあんまり、でしょうね。
「何が起こっているのか?」探っていく序盤、誰が敵かわからない中盤、ラストの緊迫感と結末の余韻にたっぷり引き込まれました。
ラストの展開は、本をよく読む人には陳腐に思えるかもしれません。
しかし黒幕の最後の表情、出版社でのやりとりは、なにかゾッとするというか素直に味わえないが大事なことを突き付けられた気持ちになりました。
こういう感情を、スーパーヒーローだの火星だのを使っても違和感なく味合わせてくれた作品はすごいと思います。
逆にそうした題材を使わなければ描けない話であり、原作の評価の高さもうなずけます。
ヒーローとはいえ、ウルトラマンや仮面ライダー、暴れん坊将軍や仕事人ではこういう話にできないでしょう。
恋愛、アイデンティティ、世界平和までを個人からマクロの視点までふんだんにぶちこみ、いつまでも考えられる映画です。決して小難しいのではありませんが、「とにかく立ち回りが見たい」「かっこいい奴が見たい」という人には向きません。
ミステリ好き、社会派ドラマ好きにはおおいに受けると思います。逆にアクションファンやSFファンにはあんまり、でしょうね。
他の国からのトップレビュー

Steph
5つ星のうち5.0
Incontournable version longue
2024年3月5日にフランスでレビュー済みAmazonで購入
Si comme moi vous n'aviez vu que la version ciné de cette adaptation, il faut d'urgence admirer cette version longue.
C'est du Super Héros sale, violent même mais à voir pour comprendre bien des choses sur la culture Comics dans son ensemble.
C'est du Super Héros sale, violent même mais à voir pour comprendre bien des choses sur la culture Comics dans son ensemble.

sumit vishwakarma
5つ星のうち5.0
Out of regular cinema.
2022年3月28日にインドでレビュー済みAmazonで購入
Good Watchmen, mind blowing visuals and good characters and some new in sci-fi genre story is twisted and suspicious well direction and back ground score memorable snd collectable movie for whole life.

Cristian
5つ星のうち5.0
Capolavoro
2024年2月15日にイタリアでレビュー済みAmazonで購入
Trasposizione cinematografica di un grande fumetto. Un film dove i supereroi vengono mostrati non senza macchia in una realtá alternativa

franck
5つ星のうち5.0
Très bonne adaptation du comics
2024年1月10日にフランスでレビュー済みAmazonで購入
Film visuellement solide, la bande originale est inspirée. Un des meilleurs films du réalisateur, avec son 300 et son incroyable remake l’armée des morts.

Harsha
5つ星のうち5.0
Five Stars
2016年11月23日にインドでレビュー済みAmazonで購入
Excellent movie