ネットでこの映画のワンシーンを見て気になったのでフルで観ました。
とてもとても面白かったです!!
観たことない人はとにかく観てっ!!特に30代40代!ホラー映画好きな人はきっと気に入るから!ヒルコの造形も動きもサイコーだから!
90年代育ちですがこの映画は初めて知りました。なぜこんなに面白い映画を知らずにいたのか……。
原作未読なのですが読みたくなりました!
稗田さんが映画と漫画とで全然違うらしいので楽しみです!
ヒルコ 妖怪ハンター [DVD]
フォーマット | 色, ドルビー, レターボックス化 |
コントリビュータ | 沢田研二, 塚本晋也 |
言語 | 日本語 |
稼働時間 | 1 時間 30 分 |
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商品の説明
Amazonより
塚本晋也監督の商業映画進出第1作は、諸星大二郎の漫画『海竜祭の夜』を原作にしたSFホラー。諸星大二郎といえば、植物と動物や人間が合体した妖怪・怪物に特色のある作家だが、『鉄男』の塚本監督がそれをいかに映像化したか興味深い作品となった。
考古学者稗田礼二郎が古墳を探して田舎の古ぼけた中学校を訪れると、そこでは教師と生徒の失踪事件が起きていた。夏休み中の校内に入っていくと、校舎はヒルコと呼ばれる妖怪が巣くっていたのだった。稗田は自作の妖怪退治道具を武器に戦いを挑んでいく。
竹中直人の首が張りついた蜘蛛のような妖怪が校舎内を走り回るなど、諸星漫画に出てくる妖怪の奇妙な造型を映像化した美術の力技が見どころ。また、沢田研二が頼りなさそうな考古学者を熱演している。(堤 昌司)
レビュー
『双生児』の塚本晋也によるSFXホラー。古墳から蘇った妖怪ヒルコに立ち向かう考古学者と中学生の姿を描く。主演は『太陽を盗んだ男』の沢田研二。
-- 内容(「DVD NAVIGATOR」データベースより)
製作総指揮: 長谷川安弘
製作: 中沢敏明/中村敏安/樋口正道
監督・脚本: 塚本晋也
原作: 諸星大二郎
撮影: 岸本正広
音楽: 梅垣達志
特殊メイク: 織田尚
出演: 沢田研二/工藤正貴/上野めぐみ/余貴美子/竹中直人/室田日出男
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)
登録情報
- アスペクト比 : 1.78:1
- メーカーにより製造中止になりました : いいえ
- 言語 : 日本語
- 梱包サイズ : 18.03 x 13.76 x 1.48 cm; 83.16 g
- EAN : 4947127513081
- 監督 : 塚本晋也
- メディア形式 : 色, ドルビー, レターボックス化
- 時間 : 1 時間 30 分
- 発売日 : 2000/12/21
- 出演 : 沢田研二
- 言語 : 日本語 (Mono)
- 販売元 : ハピネット・ピクチャーズ
- ASIN : B00005HQZJ
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 142,602位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2023年11月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日本映画でここまで凄いのを見せられて驚きました。
沢田研二さんの演技も結構面白かったなと感じました。ww
星5つ。
沢田研二さんの演技も結構面白かったなと感じました。ww
星5つ。
2023年9月4日に日本でレビュー済み
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再発された映画のソフトのパッケージには、諸星大二郎と塚本晋也と沢田研二が並列で並べられているのですが、これは現在の価値観であって、60年代後半から70年代の日本の大スターと80年代に入ってカルト的評価が高まった漫画家とこの映画の製作時期前に急に浮上した異能の映像作家では少し噛み合わせが悪いようにも感じ、むしろこの組み合わせは二度と起こり得ないと言う意味で神話性を帯びるとも感じます。
沢田研二のフィルモグラフィーを確認すると初期のナベプロ主導の作品を除くと案外マイナー志向な作品選択をしていると感じます。音楽におけるグラマラスで神秘性を帯びたスターから、映画ではむしろ軽みや笑いやダメな感じを80年代以降打ち出そうとしていたと感じられます。この映画でもヒーローではなく、主人公の少年の守護神への化身を助ける役割を、ドジな考古学者を生真面目に演じています。この虚像と実像の差を示唆する事は意識的に行われたと感じるのです。スターやアイドルが象徴性を帯びることは体験的に知っていて、その意味が決定的に変化したことも意識していたと感じられるのです。
諸星大二郎はもう長いこと読んでないので、細かなことは覚えていないのですが、この映画の元になった原作は割と初期の作品で、しかも少年ジャンプに掲載された物の様です。恐らく商業的な基盤が得られるかを意識していた時期ではないかと、「暗黒神話」や「マッドメン」でもそうですが主人公の少年性が意識され、少年が世界の仕組みの中の役割を自覚すると言うモチーフは、そうしたジャンプ的価値観の反映も有ったのではないかとも言えないかなと。また沢田の演じる稗田と言うキャラは沢田自身をモデルとしたと言う話もあるのですが、演じた時には沢田の沢田像が変化していた、ペルソナの上にペルソナとはならなかったのだと思われるのです。
塚本晋也はオリジナル脚本が殆どで、この作品は依頼を受けた形なのかと想像されます。ある時期までの塚本作品はクローネンバーグと共通する表現だなと感じていて、それは現実にトラウマティックな内面が具体性を帯びて飛び出してくる感覚なのだと思うのです。その意味ではあまりオカルト的ではないとも言え、諸星の神話性は単純化され、少年の失恋や父親の喪失と役割の継承が前面に出される。トラウマティックな内面が乗り越えられる事、そのきっかけが顔を覆われた沢田のトラウマの映像なのです。沢田の妻は遺影となっていて、いわば顔だけの存在なのですが、塚本がここで行っているのは顔の切り取りなのだと思われるのです。
主人公の恋の対象は早々に顔だけの存在になり、池に浮かび歌を歌う。最後には「アビス」の様に主人公に微笑む。これは記憶に拠らないのですがきわめて諸星的表現だなと感じていて、この唐突さがほかの漫画家との差異だなと思い出しました。そこに塚本は着目し少女の顔を調理鍋に仕込むのです。主人公は喪失の痛みを背中で体現し、沢田はトラウマを発掘現場に隠蔽したが、顔を奪われかけてトラウマを取り戻す。顔で生きる事の哀しみが顔のみで生きる苦しみと取って代わられたのです。
沢田研二のフィルモグラフィーを確認すると初期のナベプロ主導の作品を除くと案外マイナー志向な作品選択をしていると感じます。音楽におけるグラマラスで神秘性を帯びたスターから、映画ではむしろ軽みや笑いやダメな感じを80年代以降打ち出そうとしていたと感じられます。この映画でもヒーローではなく、主人公の少年の守護神への化身を助ける役割を、ドジな考古学者を生真面目に演じています。この虚像と実像の差を示唆する事は意識的に行われたと感じるのです。スターやアイドルが象徴性を帯びることは体験的に知っていて、その意味が決定的に変化したことも意識していたと感じられるのです。
諸星大二郎はもう長いこと読んでないので、細かなことは覚えていないのですが、この映画の元になった原作は割と初期の作品で、しかも少年ジャンプに掲載された物の様です。恐らく商業的な基盤が得られるかを意識していた時期ではないかと、「暗黒神話」や「マッドメン」でもそうですが主人公の少年性が意識され、少年が世界の仕組みの中の役割を自覚すると言うモチーフは、そうしたジャンプ的価値観の反映も有ったのではないかとも言えないかなと。また沢田の演じる稗田と言うキャラは沢田自身をモデルとしたと言う話もあるのですが、演じた時には沢田の沢田像が変化していた、ペルソナの上にペルソナとはならなかったのだと思われるのです。
塚本晋也はオリジナル脚本が殆どで、この作品は依頼を受けた形なのかと想像されます。ある時期までの塚本作品はクローネンバーグと共通する表現だなと感じていて、それは現実にトラウマティックな内面が具体性を帯びて飛び出してくる感覚なのだと思うのです。その意味ではあまりオカルト的ではないとも言え、諸星の神話性は単純化され、少年の失恋や父親の喪失と役割の継承が前面に出される。トラウマティックな内面が乗り越えられる事、そのきっかけが顔を覆われた沢田のトラウマの映像なのです。沢田の妻は遺影となっていて、いわば顔だけの存在なのですが、塚本がここで行っているのは顔の切り取りなのだと思われるのです。
主人公の恋の対象は早々に顔だけの存在になり、池に浮かび歌を歌う。最後には「アビス」の様に主人公に微笑む。これは記憶に拠らないのですがきわめて諸星的表現だなと感じていて、この唐突さがほかの漫画家との差異だなと思い出しました。そこに塚本は着目し少女の顔を調理鍋に仕込むのです。主人公は喪失の痛みを背中で体現し、沢田はトラウマを発掘現場に隠蔽したが、顔を奪われかけてトラウマを取り戻す。顔で生きる事の哀しみが顔のみで生きる苦しみと取って代わられたのです。
2023年6月13日に日本でレビュー済み
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モノラルながらPCMで音も良くなってます
夏にみたくなるジュブナイル映画ですね・・
夏にみたくなるジュブナイル映画ですね・・
2021年7月22日に日本でレビュー済み
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夏祭りでのおばけ屋敷体験みたいな、または、ジュリーファンなら老若男女問わず、ジュリーと一緒に ひと夏の大冒険!みたいな、とっても楽しいどきどきな映画です。
誰もいない夏休みの校舎、家屋、夏空、緑豊かな景色、静かな池など、日本の地方に残るなつかしい風景や自然や雰囲気も楽しめる、たいへんすてきな作品だと感じます。
ちょっと怖い場面もありますが、そういうのが苦手な私でもすぐに2回も見てしまえたほど、ラストシーンまで夏らしく瑞々しい、楽しい作品だと思います。
個人的には、‘ ジュリーが一緒なら怖くなくなる感 ’ ‘ ジュリーと一緒なら わくわくしかありえない感 ’ が、全部です!!☆☆☆
これから何度、観てしまうことでしょう . . . ☆☆☆
もうひとつ個人的にいくつもの発見や気づきが多く、この映画が今のタイミングで手元に届いたことにたいへん感謝しています。
そして、この映画制作に関わったすべての方々の熱意や楽しさまで伝わってくるようで、とても興味深く、こわいのに、つい何度も細部まで見直したくなります。
この映画は、1991年5月に公開されていますが、観る時代によって、 さらにいろいろ考察して話しあってみるのもいい気がします。
映画であれステージであれ、エンターテイメントはいつの時代にも、人々を楽しませながら、生活に活気や多角的な視点をもたらしてくれる大事なものだとあらためて感じます。
近くの映画館では まだ再上映されていませんので、私はこのブルーレイ2Kレストア版の到着をとても楽しみにしていました。
でも、監督の方がお話しされていらっしゃいますとおり、映画は大スクリーンで観るのが一番だと思います。
その上で、このブルーレイ 2Kレストア版は画面が本当にきれいで、必携です!
ひと夏の大冒険!楽しくて、少しだけせつなく、優しさあふれる映画です!
誰もいない夏休みの校舎、家屋、夏空、緑豊かな景色、静かな池など、日本の地方に残るなつかしい風景や自然や雰囲気も楽しめる、たいへんすてきな作品だと感じます。
ちょっと怖い場面もありますが、そういうのが苦手な私でもすぐに2回も見てしまえたほど、ラストシーンまで夏らしく瑞々しい、楽しい作品だと思います。
個人的には、‘ ジュリーが一緒なら怖くなくなる感 ’ ‘ ジュリーと一緒なら わくわくしかありえない感 ’ が、全部です!!☆☆☆
これから何度、観てしまうことでしょう . . . ☆☆☆
もうひとつ個人的にいくつもの発見や気づきが多く、この映画が今のタイミングで手元に届いたことにたいへん感謝しています。
そして、この映画制作に関わったすべての方々の熱意や楽しさまで伝わってくるようで、とても興味深く、こわいのに、つい何度も細部まで見直したくなります。
この映画は、1991年5月に公開されていますが、観る時代によって、 さらにいろいろ考察して話しあってみるのもいい気がします。
映画であれステージであれ、エンターテイメントはいつの時代にも、人々を楽しませながら、生活に活気や多角的な視点をもたらしてくれる大事なものだとあらためて感じます。
近くの映画館では まだ再上映されていませんので、私はこのブルーレイ2Kレストア版の到着をとても楽しみにしていました。
でも、監督の方がお話しされていらっしゃいますとおり、映画は大スクリーンで観るのが一番だと思います。
その上で、このブルーレイ 2Kレストア版は画面が本当にきれいで、必携です!
ひと夏の大冒険!楽しくて、少しだけせつなく、優しさあふれる映画です!
2022年7月15日に日本でレビュー済み
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一番好きなホラー映画で、まさかBlu-ray Discで出るとは思いませんでした。
1990年の作品ですが映像が凄く綺麗になっていて、完全に現在の画質になっています。
1990年の作品ですが映像が凄く綺麗になっていて、完全に現在の画質になっています。
2021年7月22日に日本でレビュー済み
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原作のリアルタイムファンですが、これは今回初めて拝見。うーん原作とは別ものと割り切って楽しみましょう。
舞台の学校やら、古墳などが闇の世界ですが外の自然の美しさは一見の価値があります。冒頭と終盤の稲穂が揺れるシーンは心奪われた感じです。
ジュリーの演技もこれまでにない、ダメっぷり?で一見価値ありだと思います。
舞台の学校やら、古墳などが闇の世界ですが外の自然の美しさは一見の価値があります。冒頭と終盤の稲穂が揺れるシーンは心奪われた感じです。
ジュリーの演技もこれまでにない、ダメっぷり?で一見価値ありだと思います。
2021年8月5日に日本でレビュー済み
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【伝奇伝承異聞奇譚】
諸星大二郎の原作 妖怪ハンターシリーズ「黒い探求者」をベースに+「赤い唇」のニュアンスが加えられる
異様な事例の語り部であり傍観者の立場である 稗田礼次郎が映画の本作では冷静でいられない程、驚き、怖気、叫び、とにかく動きまくり落ち着いてなんていられない人物像(衣裳は黒→白に変更するも鑑賞前は沢田研二《ジュリー》の持つ雰囲気と主人公のイメージが重なり期待が昂まりましたが)やヒルコの造形等改変がされている点を飲み込めさえすれば 恐しくも まさおの哀しい青春をも描いた奇譚ホラー映画として味わえるのだが
かく言う自分は当時、原作と映画の(主に稗田礼次郎の)テイストの違いに戸惑い
原作の諸星大二郎先生が読者に与える暗黒物語の重い空気感を本作の監督 塚本晋也の前作『鉄男』(89)のような作品全体を覆うダークな世界観で押し通していれば(より雰囲気を近いものに仕上げて欲しかった)という望みが強く本作で商業メジャー映画に転じるも どうも作品の良さが見い出せず消極的な思いでしかなかったのだが
その後も塚本晋也監督は作品を産み続け
順を追って徐々に変化を迎えていったが
その変化と云えるものが
既に長編二作目のこの『ヒミコ/妖怪ハンター』(91)に見てとれたのだ(あくまで本作以降の作品群のカラーと比較して)
監督からすればこの時点ではまだ二作目なので自由に表現したかったのだろう
監督が意欲的に作品を作り続け
後に『ヴィタール』(04)で美しい自然の緑をカメラに収めたが その頃は遂に変化も受け入れ監督のこれからのテーマも観続けたいという
こちらの思いもあった
『ヒミコ/妖怪ハンター』に対して抱いた思いが『悪夢探偵』(06)として現れシリーズとされた(『悪夢探偵2 怖がる女』(07)と併せて観た方が良いです 一作目単体の印象では頭がおかしいと思わせるかもしれません)のが自分の転機となり
これまで監督の他作品にないカラーの違いから敬遠していた本作を見返すきっかけができた
すると美しい風景、田舎の夏がすんなりと入ってきて沢田研二演じる稗田礼次郎が陽炎の中現れ甥のまさおと共に四苦八苦、悪戦苦闘しながら学校の校舎や古墳を行ったり来たりで奮闘する姿に自分の原作へのこだわりはスゥ〜っと無かったように消えていき(月島礼子の艶めかしくなった《赤い唇》にも注目だ)今まで蓋をして閉まっていた封印が解けたように映画の中のヒミコが扉を開き襲いかかってくる
人面蜘蛛もとても薄気味悪くて怖くてイイじゃないか
まるで『エイリアン』(79)や『遊星からの物体X』(82)のように手作りのアナログ感覚や造形に愛情を感じて最高ではないか
用務員の渡辺から聞かされる
マサオと同じように熱く焼けるような背中や肩の亡き者たちの顔痣を60年前に祖父が少年の頃に青銅製の【三つの角の冠】を被り、燃え盛る炎の中で無数の悪霊ヒミコを鎮めるシーンは胸が熱くなり興奮と熱狂を覚える
ハ部高史が教え子、月島礼子を巻き添えにしてしまった苦しみが息子マサオや義弟礼次郎に伝わる悲しみも
マサオが失う恋も最後は魂を浄化させ晴天の空に高く上っていく(解放されたのだろう父も友達も皆…)
ひと夏の恐ろしくも哀しい出来事が過ぎて行く
これは過去作でありながら
綺麗に蘇って新作のように瑞々しさを得た
軌跡を今また味わえる奇跡に感謝したいです
諸星大二郎の原作 妖怪ハンターシリーズ「黒い探求者」をベースに+「赤い唇」のニュアンスが加えられる
異様な事例の語り部であり傍観者の立場である 稗田礼次郎が映画の本作では冷静でいられない程、驚き、怖気、叫び、とにかく動きまくり落ち着いてなんていられない人物像(衣裳は黒→白に変更するも鑑賞前は沢田研二《ジュリー》の持つ雰囲気と主人公のイメージが重なり期待が昂まりましたが)やヒルコの造形等改変がされている点を飲み込めさえすれば 恐しくも まさおの哀しい青春をも描いた奇譚ホラー映画として味わえるのだが
かく言う自分は当時、原作と映画の(主に稗田礼次郎の)テイストの違いに戸惑い
原作の諸星大二郎先生が読者に与える暗黒物語の重い空気感を本作の監督 塚本晋也の前作『鉄男』(89)のような作品全体を覆うダークな世界観で押し通していれば(より雰囲気を近いものに仕上げて欲しかった)という望みが強く本作で商業メジャー映画に転じるも どうも作品の良さが見い出せず消極的な思いでしかなかったのだが
その後も塚本晋也監督は作品を産み続け
順を追って徐々に変化を迎えていったが
その変化と云えるものが
既に長編二作目のこの『ヒミコ/妖怪ハンター』(91)に見てとれたのだ(あくまで本作以降の作品群のカラーと比較して)
監督からすればこの時点ではまだ二作目なので自由に表現したかったのだろう
監督が意欲的に作品を作り続け
後に『ヴィタール』(04)で美しい自然の緑をカメラに収めたが その頃は遂に変化も受け入れ監督のこれからのテーマも観続けたいという
こちらの思いもあった
『ヒミコ/妖怪ハンター』に対して抱いた思いが『悪夢探偵』(06)として現れシリーズとされた(『悪夢探偵2 怖がる女』(07)と併せて観た方が良いです 一作目単体の印象では頭がおかしいと思わせるかもしれません)のが自分の転機となり
これまで監督の他作品にないカラーの違いから敬遠していた本作を見返すきっかけができた
すると美しい風景、田舎の夏がすんなりと入ってきて沢田研二演じる稗田礼次郎が陽炎の中現れ甥のまさおと共に四苦八苦、悪戦苦闘しながら学校の校舎や古墳を行ったり来たりで奮闘する姿に自分の原作へのこだわりはスゥ〜っと無かったように消えていき(月島礼子の艶めかしくなった《赤い唇》にも注目だ)今まで蓋をして閉まっていた封印が解けたように映画の中のヒミコが扉を開き襲いかかってくる
人面蜘蛛もとても薄気味悪くて怖くてイイじゃないか
まるで『エイリアン』(79)や『遊星からの物体X』(82)のように手作りのアナログ感覚や造形に愛情を感じて最高ではないか
用務員の渡辺から聞かされる
マサオと同じように熱く焼けるような背中や肩の亡き者たちの顔痣を60年前に祖父が少年の頃に青銅製の【三つの角の冠】を被り、燃え盛る炎の中で無数の悪霊ヒミコを鎮めるシーンは胸が熱くなり興奮と熱狂を覚える
ハ部高史が教え子、月島礼子を巻き添えにしてしまった苦しみが息子マサオや義弟礼次郎に伝わる悲しみも
マサオが失う恋も最後は魂を浄化させ晴天の空に高く上っていく(解放されたのだろう父も友達も皆…)
ひと夏の恐ろしくも哀しい出来事が過ぎて行く
これは過去作でありながら
綺麗に蘇って新作のように瑞々しさを得た
軌跡を今また味わえる奇跡に感謝したいです