パイレーツ・オブ・カリビアン Pirates of the Caribbean: The Curse of the Black Pear
画像表示切り替え監督: | ジョニー・デップ |
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出演: | ジョニー・デップ、ジェフリー・ラッシュ、キーラ・ナイトレイ |
時間: | 143分 |
公開: | 2003年 |
ジャンル: 海 |
コメント一覧
石田憲司 | 簡易評価: おすすめ | 見た日: 2016年11月02日 | 見た回数: たくさん
尾内丞二 | 簡易評価: おすすめ | 見た日: 2010年08月11日 | 見た回数: とてもたくさん
僕は映画が好きだ。大好きだ。
にも関わらず、最近僕はあまりヒトに映画を勧めない。
理由は簡単。
映画好きではない一般のヒトに映画を勧めても、あまり面白い感想が聞けないからだ。
彼らは簡単に『すっごく面白かった!』と言う。
それって感想じゃないの?と思われるかも知れないが、『すっごく面白かった』は“返事”のレベルである。
例えば交際中の女の子に『私のこと、好き?』と聞かれて『大好きだよ』と返すのと同じで、そんなのはあらかじめ用意されている決まり文句なのだ。
彼女は続けて聞くだろう。
『じゃあ私のどこが好き?』
彼は半ば面倒臭そうに答える。
『好きだから好き。それだけじゃダメ?』
…ダメじゃあないが、合格点はやれない。
僕が他人に映画の感想を聞く場合、実際に面白かったどうかなんてのはどうだっていい。
重要なのは『アナタにとって“なにが”“どうして”面白かったか?』なのだ。
いったいどう答えれば“正解”なのだろう…?
今回の映画“パイレーツ・オブ・カリビアン”を例にとって考えてみよう。
まずは悪い応対例。
僕『どうだった?』
相手『すっごく面白かったよ!』
僕『どこが面白かったの?』
相手『ジョニー・デップの演技とか、すっごいコミカルで笑えたし。』
僕『ジョニーの“どの”演技がコミカルで笑えた?』
相手『“どの”って?』
僕『牢屋に入れられて骨で犬を呼ぶシーンとか?』
相手『あー!そうそう、あそこも笑ったよー!』
僕『他には?』
相手『え…? なんでそんなこといちいち聞くの? 面白かったんだから別にいいじゃない。』
…ちなみにこれは実際にあった問答である。
こんな感想だったら幼稚園児でも言える。
なんだったらそもそも映画を観てなくたって言える。
次に良い応対例。
僕『どうだった?』
相手『すっごく面白かったよ!』
僕『どこが面白かったの?』
相手『全体を通して言えばかなり子供向けな映画だけど、それでもコミカルなパートがふざけ過ぎてないから、シリアスなパートが締まってるよね。』
僕『例えば?』
相手『例えばヒロインが誘拐されるシーンで、屋敷に押し入ってきた海賊が大砲の玉で吹っ飛ぶカットとか、焼けた炭を浴びせられるトコロはかなりコメディタッチなんだけど、そこであまりフザケた演技で引っ張ったりしないから、その後の“Hello, Puppy.”って言いながらクローゼットを覗き込むカットもきちんと恐ろしくなってたり。』
僕『他には?』
相手『最後の洞窟でのチャンバラも見事だったよねー。バルボッサが交互に生身とガイコツに変わる演出も面白いけど、なにより剣撃が音楽と見事にシンクロしてるから物凄くテンポ良く見れる。そもそもアンデッドの海賊たちのデザインがカッコいいんだよねー。海底を“歩く”シーンなんか「監督はこれを見せたかったんだろうなー」って感じがしたよ!』
僕『ジョニー・デップの演技がコミカルで面白かったでしょ?』
相手『…は? そんなの別にどうでもいいんじゃないの?』
こんな応対が出来たなら、僕はアナタに固い握手を求めるだろう。
…ちなみに『私のどこが好き?』という質問に対する解答で、容姿や顔のパーツなどの外見に関する賛美は全て不正解なんだそうです。
正しくは『こういう局面でこういう考え方をするところ』のように、思想や信念などの無形所有物を挙げるか、上手に話の軸をずらして“質問そのものには答えない”が正解。
なんちゅうかディズニー映画かくあるべし。
かつては、なんかディズニーって安全で平和でハッピーエンドで終わるしいまいちつまんないんだよねー。と、斜に構えていた愚かな僕ですが、最近はめっきり、そちらの良さがわかるようになったのです。大人になったからかな。
※その割に「フランス映画」とか相変わらずよーわからんけど。
というわけで、みんな大好き(?だと思う)パイレーツ・オブ・カビリアン。2作目3作目の作りあたりは「マトリックス」に似てるなぁ。と個人的に思ってたりします。
話がもうちょっと壮大になって、2作品。しかも残念ながら一作目の良さがなくなった・・・みたいなね。
今やちびっこから何から海賊の認知度が高まってますが、ワンピースだけのおかげでしょうかね?多分こちらの作品のだって影響力高いはず。なんせディズニー・シーのメインみたいなもんですし。
ということで、大冒険にコメディにロマンスにちょっとシリアスにその辺のバランスが秀逸。
僕が大好きな「レイダース 失われたアーク《聖櫃》」と重なる部分が多かったりするんだよなー。
ということで、オススメ3連発ですが、ま、これは文句ないんじゃないかな。