エクスマキナ -APPLESEED SAGA-

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監督:荒牧伸志
出演:岸祐二、沢城みゆき、五十嵐麗、山寺宏一、小林愛
時間:105分
公開:2007年
ジャンル:
アニメ(日本)

コメント一覧

石田憲司 | 簡易評価: いまいち | 見た日: 2010年03月19日 | 見た回数: 1回

ハトさんや、格闘シーン。そのままやなぁ。って所はありますが、「APPLESEED」の世界になじみのない僕らからするとまぁ、その辺はアリなんじゃないかなぁ。と。わー。ジョン・ウーだ。ジョン・ウーだ。と楽しめたし。

柴田さんほどこの世界(というか作品)についての思い入れはないので、たくさんあるジャパニーズアニメの一本という感じでした。前作「APPLESEED」よりもなじませ方がうまくなったねぇ。というとこでしょうかね。
とにかく、それなりにはやった映画の部分部分を片っ端からアニメ化して取り込んだようなのが気になったのと、これは柴田さんに同意ですが、うーん。ラスボスそれって何さ。

というところで、まぁ、話しも別段面白くはないし、これはスゴいぞー。って言う見るべきとこもないです。ので、作品自体は「残念」ほどひどかないけど、せいぜい「イマイチ」ってところ。
が、「おぉ、これはあの映画のパク・・・オマージュだ」とか言う視点と、前述の「わーいジョン・ウー」という視点では楽しめたので、「まあまあ」でもいいかも。

パク・・・リスペクトやら見せ方やら突っ込みどころが多いので、そこが楽しめるかどうかでしょうか。こんなコメント前にも書いた記憶があるけど、なんだったかな?

柴田宣史 | 簡易評価: ざんねん | 見た日: 2009年03月24日 | 見た回数: 1回

映画部のコメントを書くときにはあまり時間をかけないようにしている。目標は極力5分以内だ。またでべちゃんと以前しゃべったことだが、あんまりコメントを事前に考えてキーボードに向かうということもしていない。そのときそのときでちゃっちゃと書くようにしている。だが、今回はどのように書き出すか、少々事前に考えてしまった。

「ひどい」と書き出すべきか、嗚咽から始めるべきか。

これも何度も書いているように、映画のみならず、なんらかの作品が「完成される場所」というのは、作品が読まれるとき、だと思っている。作品は生み出されて前半分、読まれて後ろ半分が出来上がる。とは言っても、読者には完全な自由はなく、やはり作り手の意図の範疇で「読む」ということが行われる。ゆえに、作り手の意図というのは、半分とはいっても、完成される作品の方向性を定めるということできわめて重要だ。とある作品がまったく面白くないときというのは、この「完成の場」が悲劇的に顕出したときだろう。昨日、この悲劇がまた起こった。

これまで映画部ではいくつか法則めいたものがいわれている。そのうちの一つに「原作ものは、映画化されると面白くない」というものがある。まあ原作に対する思い入れのせいで、こういったことが起こるのだろうが、昨晩みた「エクスマキナ」は、もし士郎正宗がこれにゴーサインを出したのなら、士郎正宗までイヤになってしまいそうなほど、悲しい作品だった。

アニメーションとしての動きは、なんとなくファイナルファンタジー8時代頃のムービーシーンをみている程度のもので、声優までなんだかへたくそに聞こえてくる。お話の筋もありきたりで、この作品がアップルシードをネタにする必然性を全く感じない。人美もヨシツネもデュナンもブリアレオスも、士郎正宗の絵に比べてはるかに即物的になり、みんなロボットのようだ。あと作りが一切合切、あんまり合理的でない。

・ランドメイトの停止装置が、なんでそんな操作しにくいところにあるのか? 工事用のランドメイトのようなものであれば、どこからか集中操作できてしかるべきで、あばれたら遠隔で止められるものだろう。
・ウェアラブル情報端末による人格操作によるテロって、そんな簡単にセキュリティを突破されていいのか? とくに ESWAT のセキュリティ、あますぎないか?
・要人が会議をする場所がそんなスケスケの会議場でいいのか? 対テロ意識はないのか?
・ヘカトンケイル級のサイボーグとはいえ、街角の情報端末から中央のコンピュータにそんなに簡単に侵入して、クラックできていいのか? また、そのやり方は本当にテロ組織にとってやりやすい方法だったのか?
・人工衛星は人工衛星で、なにかおかしいことをするときに、別の種類の論理回路が働いてもいいのではないのか? アシモフの時代でロボット三原則があるのに、そういった装置は皆無なのか?
・ポセイドンの行動も非合理的でしょう。目星がついているなら、最初から協力しなければ、なにもいいことはないように思われます。
・ナニソノラスボス? ナニソノケーブル? そんな盛り上げ方ってどうなの? でもって、その特効薬、何にでもきくの?
・ジョン・ウー、鳩が好きなのはわかったけど、日本の漫画にまで出てくんなよ。

きっと士郎正宗はもう『アップルシード』の続きを書くつもりはないんだろうけど、こうやって屍肉をついばまれて、プロメテウスのような生けるしかばねをさらすだけなのか。そんなに文句たらたらだったら、みなきゃいいのに、と言われそうだけど、『アップルシード』の世界に飢えているこっちとしては、じつはちょっと期待をしていたんだなーということなんです。作品はたしかに作者が作ります。でも、いろんな読者に愛された時点で、作者だけのものではなくなる部分もあると思うのです。作者だけのものでない部分に於いて、あんまりヘンチクリンにいじられると、我が身をいじられているような不快感があります。ので我が身において悲しみを吐露させてもらいました。

あーあ。

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